米商品先物取引委員会(CFTC)のコミッショナーBrian Quintenz氏が、SECは暗号資産を規制する権限を有していないと主張した。SEC委員長Gary Gensler氏の発言を受けて、8月4日に自身のTwitterに投稿している。
Quintenz氏は、「その商品が小麦であれ、金であれ、石油であれ、そして暗号資産であれ、SECにはコモディティに対して権限を有していないことをはっきりさせたい」と主張。暗号資産に対する規制強化を示唆するSEC委員長Gensler氏の発言に言及した。
Gensler氏は、7月21日と8月3日にそれぞれ暗号資産の規制強化を示唆する発言を行なっていた。7月21日には、株式トークンとステーブルコインについて証券法に抵触する可能性があると主張。続けて8月3日には、暗号資産とICOトークンはほとんどが証券に該当する可能性が高いとの見解を示している。
これに対するQuintenz氏のTwitter投稿には、元CFTC委員長のChris Giancarlo氏やその他の米国議員が賛同の声をあげた。Giancarlo氏は、任期中に暗号資産への適切な規制の整備を訴え続け「暗号資産の父」と呼ばれる存在となっている。
米国では現在、CFTCの委員長が空席状態となっており、Giancarlo氏は暗号資産の規制を整備するのであればその前にCFTC委員長の席を埋めるべきだと意見していた。
今回の焦点となったSEC委員長の度重なる発言には市場全体から多くの注目が集まっている。しかし、特に市場からの目立ったネガティブ反応は出ておらず、SECの公式声明ではなくあくまでGensler氏個人の見解であることを認識しているようだ。
市場からはQuintenz氏の主張を擁護する形で、「暗号資産はSECよりも大きい存在である」との意見も寄せられている。それぞれ公式声明ではないものの、SECとCFTCとで意見が対立しており、米国における今後の規制動向にも影響が出てきそうだ。
【参照URL】https://twitter.com/CFTCquintenz/status/1422912721637580803
株式会社techtec リサーチチーム
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