米国で注目集める「インフラ法案」、税制強化に対する修正案が続出するも反映されず

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米国で注目を集める「インフラ法案」における暗号資産条項について、修正案が提出されていたものの、全会一致とはならず見送りとなったことが8月9日にわかった。

バイデン政権下の目玉となる政策として注目の「インフラ法案」は、1.2兆ドルもの経済政策だ。文字通り老朽化するインフラ設備(道路、水道、電力網、鉄道など)を刷新することで経済成長を促す。

このインフラ法案が暗号資産業界でも話題になっているのは、資金の捻出方法にある。暗号資産市場からは280億ドルの税収が見込まれており、税制の強化が予定されているためだ。

税制の強化を巡っては、反対意見が各所から湧き上がり、数回にわたって議論が行われてきた。暗号資産関連の内容に決着がつかない状態が続き、インフラ法案そのものの成立が延期する事態となっている。

業界からの指摘では、インフラ法案における「ブローカー」の定義を明確にすべきとの見解が示されている。法案では暗号資産ブローカーに対して、暗号資産取引を行うユーザーの税務情報を開示するよう求める事項が含まれていた。これについて、ブローカーには取引所やカストディ企業、マイナー、デベロッパーなどどこまでが対象になるのか指摘されている。

提出された修正案のいくつかには、マイナーやカストディ企業、デベロッパーはブローカーに含まないよう求める内容が多く出ていた。一方で、法案支持派の修正案ではマイナーのみブローカーの定義から外れる内容となっている。

修正案が認められるには全会一致が必要となるため、日本時間10日時点では修正が加えられない状態で上院を通過することが予想される。その後、下院で再び議論されることになるため、引き続きインフラ法案に関するニュースが米国を騒がせるだろう。

なお、ここまでの目立った流れは次の通りだ。

  • 7月29日:インフラ法案のための予算確保のために暗号資産税制の強化が決定。Coin Centerをはじめとする業界団体が一斉に反対声明
  • 8月1日:法案内の「ブローカー」の定義を一部変更
  • 8月3日:複数の議員より、ブローカーの定義からマイナー、カストディ企業、デベロッパーを外すよう意見
  • 8月5日:ブローカーの定義からマイナーのみ除外
  • 8月6日:最新テクノロジーの推進団体「Fight for the Future」による署名活動が議会も無視できない規模に

【参照記事】Senators reveal final compromise for crypto language in infrastructure bill

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株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec