USDC運営のCircle、国法銀行ライセンスを取得へ

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ステーブルコインUSDCの発行・管理を担う米Circleが、国法銀行としてのライセンス取得へ向けて動いていることが明らかとなった。CEOのJeremy Allaire氏が自社のブログを8月9日に公開している。

国法銀行としてのライセンスは、米国で銀行業を営むために必要なものだ。2021年1月に暗号資産関連企業として初めてライセンスを取得したAnchorageや、ステーブルコインPAXを運営するPaxosなどこれまでに3社が認可されている。

国法銀行ライセンスを取得することで、金融機関が担っていた役割を自社で行うことができるようになる。これには、暗号資産以外の顧客資産を管理するための役割も含まれる。暗号資産関連企業が国法銀行ライセンスを取得することは、顧客が一つの口座で暗号資産と法定通貨の両方を管理できるようになることを意味するのだ。

Circleは、7月8日に特別買収目的会社(SPAC)との合併によるニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場を発表している。USDCの流通量は、2021年初旬から3400%以上増加し、計275億ドルを超えているという。

7月20日には、USDCの裏付け資産の内訳を公開し、上場へ向けて透明性を高めるなど着々と準備を進めているようだ。

今回の発表は、ステーブルコインをより安心・安全な資産として普及させることが目的といえる。国法銀行となることで連邦準備制度や財務省の管轄下に入ることになるため、厳格な運営体制が求められるようになる。その分、顧客からの信頼も獲得することが可能だ。

Circleの公開したブログによると、ステーブルコインの裏付け資産の内訳を公開することは、信頼を獲得するために重要なことだとしつつも、それだけでは十分ではないという。国法銀行として厳しい規制に準拠することが、何よりも顧客の信頼を獲得することに繋がると説明した。

DeFi市場でも多くのシェア誇るUSDCだが、運営のCircleがライセンスを取得することができれば、より一層既存金融との融合が進むことになりそうだ。USDCはこれまでに、クレジットカード大手のマスターカードやVisaなどとの提携を通して、ステーブルコイン決済の市場を拡大してきている。

【参照記事】Our Journey to Become a National Digital Currency Bank

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株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec