東証市場再編でコーポレートガバナンス改善が加速。シュローダー、2022年の日本株式市場見通し

シュローダーは1月13日、「2022年市場の見通し(日本株式)」を発表した。新型コロナウイルスにかかる不透明感は残るものの、良好なファンダメンタルズと割安感のある株価バリュエーションを踏まえ、日本株市場の見通しとしては底堅い展開を想定。日本株市場自体が米国株をはじめとするグローバル株式市場に出遅れているが、経済再開のタイミングの違いなどから「相対的に日本株にとって優位な状況が期待できる」と見る。長期的な見地からは、東証市場再編などをきっかけに、日本株市場全体に改善が進むことで欧米企業にキャッチアップして、日本企業の投資魅力が高まることが重要だとしている。

足元では新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念されているが、徐々に消費の回復が続いており、ワクチン接種率が世界的にも高水準であること、治療薬の承認、ブースター接種の日程明確化などを経て、社会的に安心感が出ることが期待される。21年度の企業業績は3割程度の増益が見込まれ、上期決算でも好調が確認された。

1月下旬から10−12月期の四半期決算が発表されるが、外需関連、特にテクノロジー関連は増収増益となっている企業が多く、投資家からも高く評価されている。一方で、経済再開の出遅れから、内需関連は新型コロナウイルスの影響で大きく落ち込んだ利益水準に戻るのに時間を要すると見られる。同社は内需も含めて全体的に通期予想が上方修正されるようになれば、業績面で株価上昇を支えることが期待できるとしながら、円安、資源価格高騰、供給不足などに起因するコスト増の影響に懸念も示す。「価格転嫁に対して消極的な企業が散見される。特に日本企業は長期間デフレ圧力に晒されてきたために、インフレ環境下での適切な経営戦略が身についておらず、戸惑っているのではないか」と推察されるためだ。ブランド力を背景とした適切な価格転嫁、競争力を毀損しない形での合理化やコスト削減、長期的視点に立った業界再編などによって乗り切れる業界や企業を選好するとしている。

日本株市場の注目を集めてきた東証の市場区分再編は今年4月に新市場がスタートする。東証一部からプライム市場に移行する基準の緩さや最終的にプライム市場の上場企業数が相応に多くなることで批判的な論調もあるが、気候変動に関する情報開示やコーポレートガバナンス体制などの基準は厳しくなっており、同社は日本株市場全体のガバナンス水準が底上げされると期待する。

「21年から一部の企業では女性取締役の選任によるダイバーシティの推進や持ち合い株の解消、上場子会社の整理などが進むなど、着実にガバナンス改善は進展している。さらには、資本効率を意識した自社株買いの実施なども裾野が広がっており、株価見直しのドライバーになったケースもある。ESG(環境、社会、ガバナンス)の観点では、気候変動や環境対応がビジネスに与える影響、ポストコロナにみる従業員マネジメントの巧拙やダイバーシティの推進などが、企業価値を考える上でより一層重要になっていくだろう。株価に織り込まれていない変化を捉えることが超過収益、高いリターンに繋がる」と引き続き注視していく考えだ。

【関連サイト】シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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