シンガポールやケイマン諸島の規制当局が7月1日、暗号資産取引所Binanceへの警告を発表した。Binanceへは日本やイギリスからも事業停止の通知や警告書の送付がされており、これらに続いての警告となっている。
Binanceは、シンガポールにおけるライセンス申請段階での運営が許可されていたものの、マネーロンダリングやテロ資金供与対策についてシンガポール金融管理局(MAS)より不備が指摘されたという。
シンガポールは、世界でも有数の暗号資産規制が厳しい国と言われている。暗号資産取引所のライセンス審査においては、申請者のAML/CFTの実行能力などさまざまな要件が検討されるとのことだ。
Binanceは、ケイマン諸島で事業者登録を行なっておらず、ライセンスを取得せずにサービスを提供していたという。ケイマン諸島は、金融活動作業部会(FATF)の規制勧告を受けたことでAML/CFTなどの措置を強化しており、未登録の事業者を強く監視している。
また7月2日には、タイの証券取引委員会(SEC)がBinanceに対して刑事告発を行ったと報じられている。Binanceがライセンスなしで暗号資産事業を提供しており、これが法令に違反したとのことだ。
タイで暗号資産事業を提供するにはライセンスの取得が義務づけられており、デジタル資産事業緊急政令の枠組みで規制が整備されている。SECは書面による回答の提出を要求する警告書を4月5日に発行したが、Binanceは指定された期間内に回答を提出しなかったとのことだ。
さらなる調査と法的手続きのために、SECはBinanceに対する刑事告発を、タイ王国警察の経済犯罪抑制部門(ECD)へ提出したとされている。Binanceへは刑事制裁として、2年から5年の懲役及び20万から50万バーツの罰金が課せられ、さらに違反が1日続くごとに1万バーツ以下の罰金が追加されるとのことだ。
【参照記事】English (United States) News_Detail
株式会社techtec リサーチチーム
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