米大手暗号資産取引所Krakenが、ベンチャー投資ファンドKraken Venturesの設立を2月11日に発表した。主にプレシードラウンドからシリーズBラウンドまでを対象に投資を実行するという。
暗号資産取引量で世界4番目の規模を誇るKrakenからも、新たに投資ファンドが誕生した。トップ3を占めるBinanceやCoinbase、Huobi Globalでは既に投資ファンドが設立されている。
投資ファンドは、ビットコインやイーサリアムといった暗号資産への投資を行うのではなく、創業直後のベンチャー企業を対象に行うものだ。昨今は企業への投資を行う際に、株式だけでなくトークンを対象にするケースが一般的になっている。
今回設立されたKraken Venturesでは、主に次の領域に投資をしていくという。合わせて詳細な解説がされており、長期的な業界動向を把握する上での参考にしたい。
FinTech
今や全ての企業がFinTech企業になりつつあります。このトレンドを行くB2B企業が投資対象です。また、暗号資産とブロックチェーンはプロセスをより速く、安く、公平にすることで従来の金融サービスに劇的な変化をもたらしています。
Financial Infrastructure
新たな金融エコシステムを支えるインフラシステムに投資します。オープンバンキングから貿易の監視まで、この領域は未来の経済に不可欠な基盤となるでしょう。具体的には、レグテック(RegTech)やサイバーセキュリティ、アナリティクス、デベロッパーツールなどがあげられます。
Web3/DeFi
プロトコル上の価値が大きくなるにつれて、プロジェクトは銀行や富裕層のために整備された既存製品と同等のサービスを提供しようとしています。保険やデリバティブ、DEXおよび新たなスケーリングソリューションがこのカテゴリに分類されます。
Customer Crypto Protocols
消費者に焦点を当てたプロトコルは、スケーラブルなB2Bビジネスの周辺に構築された集権型トークンの実行環境を作り出します。この領域の企業は、ビットコインの初期の頃とは異なり、プラットフォームを支持するコミュニティによって好循環のフィードバックループを生み出します。
Digital Economies
デジタル経済圏を創出する企業は、銀行との複雑な関係性を排除しプラットフォーム上での直接的なインターオペラビリティを形成することができます。これにより飛躍的な成長速度を実現することが可能です。このトレンドは、VRやeスポーツ、ゲームなどの自己完結型エコシステム全体に存在しています。
Enabling Tech
人工知能や機械学習、ディープラーニングといった技術は、金融サービスの技術スタックを劇的に変化させ、経済の複数セクターにまたがって拡大していくでしょう。
【参照記事】Kraken Backs Launch of Venture Capital Fund
株式会社techtec リサーチチーム
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