福岡県が令和3年度の予算案を2月15日に発表した。一般会計で2兆1,361億円に設定されている。
新型コロナウイルスの影響から2年連続で過去最大となり、2兆円台となるのは初めてだ。医療体制の強化など新型コロナウイルス対策には、2月の補正予算と合わせて4,326億円が計上されている。
注目すべきは、新産業として「ブロックチェーン関連製品の製品開発・実証支援に対する助成」と「ブロックチェーン関連製品・サービスの展示会への出展支援に要する経費」が追加されている点だ。
行政予算案にブロックチェーンの文字が明確に記載されることは極めて稀だと言えるだろう。予算の項目としては「Rubyビジネス・コンテンツ産業振興費」として分類されたものの、ブロックチェーン関連予算として計1,400万円が割り振られている。これは、昨年比2倍の5,617億円に膨らんだ行政施策費から捻出されるという。
福岡県では、2012年に産学官共同でRuby・コンテンツビジネス振興会議を発足させていた。今回の予算は、この取り組みの延長にあると言えるだろう。
ブロックチェーンに関連するその他の項目としては、中小企業の経営強化やDX支援に37億円が計上されている。新産業としては、ブロックチェーンの他に宇宙とバイオが追加された。
福岡県は、スタートアップやテクノロジーへの積極的な取り組みで有名だ。福岡県を拠点にブロックチェーン事業に取り組む国内企業も少なくない。具体的には、Cryptoeconomics LabやNayuta、Chaintopeといった企業があげられるが、いずれも国内屈指の技術力を誇る。
飯塚市では「ブロックチェーンストリート」というプロジェクトが2019年より発足しており、ブロックチェーンに関する情報と技術の集積地となることを目指している。2020年には福岡県ブロックチェーンフォーラムも開催されていた。
【参照記事】福岡県21年度予算案 初の2兆円台 コロナ後へ産業育成

株式会社techtec リサーチチーム

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