今月11日、国際通貨基金(IMF)の専務理事を務めるChristine LagardeがCNNMoneyのインタビューで、仮想通貨に対する法整備は世界レベルで必要かつ避けられないと発言した。同氏は2016年に行われたWall Street Journalのインタビューでも、銀行が5年以内にデジタル通貨を導入するとの予測に加え、マネーロンダリングなどの不正行為が起こらないよう法を整備するべきだと発言していた。
同氏はCNNMoneyのインタビューで、仮想通貨の人気が高まっているのは「グローバル市場におけるハイリターンな投資に対する飢餓感」が理由との見方に対し、今の状況には高利回り商品など投資の機会を求める人々の群集心理が表れていると返答した。さらに、匿名性の高い仮想通貨の性質を利用した悪事を働きやすいことも、この盛り上がりに拍車をかけているのではないかと語った。
未熟な法整備による仮想通貨の危険性を一貫して警戒している同氏だが、昨年10月の発言ではIMFが独自の仮想通貨を発行する可能性にも触れており、適切な管理体制の下での導入はむしろ歓迎しているようだ。仮想通貨という新しい技術に関心を払わないのは金融機関にとってリスクだと捉え、この技術はすでに金融サービスやグローバル決済の仕組みを根底から揺るがしつつあると、その影響力の大きさを認めてもいる。
仮想通貨の利用にリスクがあるというのは誰もが共有する認識だが、そのリスクを最小限に抑える対策を取りながら導入するのか、それともリスクが高いから利用を禁じるのか、判断は大きく二分される。Lloyds Banking GroupやJPモルガン・チェースといった世界的な銀行がクレジットカードでの仮想通貨購入を禁じるなか、米商品先物取引委員会(CFTC)と米国証券取引委員会(SEC)は適切な規制を設けることで仮想通貨の発展が促進されるとの見方を示した。IMFの見方は後者に近いことが分かる。
【参照サイト】IMF Chief Christine Lagarde Says International Crypto Regulation Is ‘Inevitable’ And Necessary
【参照サイト】IMFが独自の仮想通貨を発行する可能性
木村つぐみ
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