国際通貨基金(IMF)が、デジタル資産の高騰によるリスクを警告し、世界中の規制当局に対し仮想通貨の政策を調整するよう求めていると、1月22日CNNが報じた。
財政の安定と経済成長を司る国連機関であるIMFは、仮想通貨に関する政策を形成すべく、世界的に「規制当局間のより大きな国際的な議論と協力」を推進している。IMFのGerry Rice報道官は、仮想通貨による決済手段としての利用の有益性とマネーロンダリング、詐欺、テロ資金調達などの濫用を比較した。
Rice報道官は、「資産価格が急上昇すると、特に市場参加者が購入のためにお金を借りている場合、リスクが累積する可能性があります。人々がリスクを認識し、必要なリスク管理の措置を講じることが重要です。」と話した。
Rice報道官はIMFが推進する協力や政策の具体的な内容については言及しなかった。第二次世界大戦後に国際的な通貨と決済システムを再建するために設立されIMFは現在、経済危機に巻き込まれた国々を救済するための基金として機能する。
伝統的な金融の重量級として引き続き影響力を行使しているIMFは、特に開発途上国等での金融インクルージョンの手段として仮想通貨を議論する際に、微妙なアプローチをとることが知られている。
IMFのChristine Lagarde専務理事は、約1年前の世界経済フォーラムで、「仮想通貨とその先:初期の検討事項」という報告書を発表した。幅広い洞察とビットコインのような仮想通貨の研究を通じ、「仮想通貨とその基盤となる技術はより迅速で安価な金融サービスを提供し、開発途上国における金融のインクルージョンを深める強力なツールとなりうる。」とした。
最近では、2017年9月にLagarde専務理事は、「新しいテクノロジーが、金融取引のコストを減らし、よりアクセスしやすくする手段は、既に大規模な混乱を招いていると思います。」と発言し、銀行に対して仮想通貨と金融テクノロジーによる既存金融システムの崩壊を警告した。
IMFが仮想通貨の規制に関するグローバルな協力を呼びかけるのと時期を同じくして、米国のSteven Mnuchin財務長官が、不法行為を追跡するためにビットコイン等の仮想通貨の使用を調査する複数の内部ワーキンググループの存在を明らかにした。
既存の政治権力や中央銀行の枠組みの外で生まれ、急速に発展する仮想通貨市場だが、無秩序なフロンティアから管理と安定の時代にシフトさせていく意図が各方面から示された形だ。
【参考記事】IMF Urges International Cooperation on Cryptocurrency Regulation
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