GMOインターネットグループ傘下の米国法人GMO Trustが、米国メディアThe Blockと共同でステーブルコインに関する年間レポートを作成した。3月10日に公開されたレポートによると、2020年の年間総供給額は約542億ドル、月間取引額は約3,840億ドルとなっている。これは、昨年比でそれぞれ+900%と+1,600%という驚異的な増加率になるという。
1日あたりのアクティブアドレスは30万7,000、取引数は59万4,000となっており、昨年比増加率はそれぞれ約580%と約600%となった。わずか1年での急増を牽引した要因としては、ステーブルコインTether(USDT)を担保にしたデリバティブ取引が活発になったことや、DeFi市場におけるステーブルコインの需要増などがあるという。
なお、ほとんど(全体の約70%)のステーブルコインはイーサリアムを使って発行されており、ガス代の高騰による影響を受けやすい状況となっている。そのため、ステーブルコインによる取引の40%が、比較的高値の100ドル〜1,000ドルのものになっているという。
現在市場に流通しているステーブルコインのうち、全体の約40%は取引所に、約11%はDeFi市場に供給されている状況だ。取引所の中でもほとんどがBinanceによって管理されているという。DeFi市場では、CurveやUniswapなどの分散型取引所(DEX)、AaveやCompoundなどのレンディングプロトコルに多く集まっている。
ステーブルコインの市場概況は地域によっても違いが出ている。アジア圏では主にTetherが人気を集める一方、アメリカ圏ではUSD Coin(USDC)が頻繁に使用されている状況だ。これは、IPOを間近に控える米CoinbaseがUSD Coinの発行母体であることも影響していると考えられる。
その他にも、レポートではステーブルコインの種類(法定通貨担保型、暗号資産担保型、無担保型)についてそれぞれの事例を交えた解説や、Facebook主導のDiem、MakerDAOによって発行されるDaiなどの最新状況についても詳細に触れられている。
【関連記事】【元暗号資産取引所トレーダーが解説】ステーブルコインの基礎と今後のポイント
【参照記事】Stablecoins: Bridging the Network Gap Between Traditional Money and Digital Value — Brought to you by GMO Trust
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