金融庁がFinTechやDeFiに関する活動報告を公開、従来型の規制アプローチは現実的ではない旨を認識

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金融庁は7月7日、「イノベーション促進に向けた金融庁の取組み」と称したレポートを公開した。金融庁が過去に行なってきた活動の中で、FinTechやブロックチェーン、DeFiといった領域への取り組みについて紹介している。

今回のレポートは、2018年に金融庁内に設立された「FinTech Innovation Hub」の活動を紹介したものだ。ブロックチェーンを含むFinTechの最新トレンドをキャッチアップすることで、今後の金融政策に盛り込んでいくことを目的としている。

ブロックチェーンやDeFiに関する取り組みとしては、主に以下の活動を取り上げた。

  • Blockchain Governance Initiative Network(BGIN)
  • Blockchain Global Governance Conference(BG2C)
  • ブロックチェーン国際共同研究

その中で、DeFiエコシステムが急速に拡大していることを理解し、ガバナンス上の論点について議論を深めていくことが重要だと主張した。この認識は、BGINやBG2Cでも共通理解として定着しているといい、BGINが中心となってドキュメントの策定作業を進めている最中だという。

DeFiを取り巻く課題としては、特に規制面での難易度に言及している。従来型のエンティティベースの規制アプローチでは、AML/CFTや利用者保護などの規制目標の達成が困難となるケースも想定されると説明した。

中でも、民間と規制当局の連携が不足していることを課題視し、各ステークホルダーが各自の役割と責務を認識し、従来型の規制アプローチにとらわれずイノベーティブな環境整備と規制目標の達成の両立を目指すという。

金融庁からの公式レポートの中で、従来型の規制アプローチでは限界があることに触れていることは非常に大きな意義があると言えるだろう。実際のところ、各国ではDeFiのために新たな規制が整備され始めており、米国でもセーフハーバールールが提唱されている。

AML/CFTはもちろん最優先で検討しつつも、DeFiによるイノベーションを十分に理解した上で健全なビジネスを阻害しないよう適切な規制が整備されることを期待したい。

【参照記事】イノベーション促進に向けた金融庁の取組み:金融庁

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株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec