イーサリアムの開発を行うEthereum FoundationとPlasmaプロトコルによるスケーラビリティ問題解決に取り組むMatter Inc.は1月3日、イーサリアムのスケーリング問題を解決を目指すZK-SNARKs Plasmaのテストネットにおけるローンチを発表した。
今回テストネット上でローンチされたZK-SNARKs Plasmaは、1秒間に500以上のトランザクションを可能にする技術だ。ZK-SNARKs Plasmaでは、トランザクションの検証を以下の手順で行う。まず、ブロックを提案するノードは、生成したブロックが正しいことを証明するSNARKsを送信する。新規のブロックはスマートコントラクトによって自動的に検証される。誤ったブロックがブロックチェーンに取り込まれることがなくなるため、ユーザーは常にオンラインで、トランザクションの監視をする必要がなくなる。
ZK-SNARKs Plasmaは、Vitalik Buterin氏(以下、ヴィタリック氏)とJoseph Poon氏(以下、ジョセフ氏)の提案したPlasmaと技術的に異なる。Ethereum FoundationとMatter Inc.は、ZK-SNARKs Plasmaにより、結果としてトランザクション手数料を50分の1に削減することが可能なため、Plasmaの名前を用いることは正当だとした。ヴィタリック氏も自分のtwitter上で、技術的にPlasmaではないことを主張した上で、こんなにも早く実装されると期待していなかったと賞賛している。
Plasmaは、2017年8月にヴィタリック氏とジョセフ氏によって提案された。Plasmaは、トランザクションをオフチェーンであるサイドチェーンを用いて処理した後、サイドチェーンで処理したデータをブロックチェーンに収納するというスケーリング手法だ。スケーリングの問題解決には、セキュリティとトランザクション処理スピードがトレードオフ関係にあり、開発では2つを両立させることに焦点が当たっている。
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
【公式サイト】Ethereum Foundation
【公式サイト】Matter Inc
【参照URL】Vitalik Non-giver of Ether @VitalikButerin
【参照URL】Plasma: Scalable Autonomous Smart Contracts
【参照記事】Introducing Ignis: Fire Plasma
藤田 正義
最新記事 by 藤田 正義 (全て見る)
- 仮想通貨の投資成績は優れているのか?「シャープ・レシオ」を用いたレポートが公開 - 2019年9月10日
- 注目を集める仮想通貨レンディングサービス人気の裏側。懸念はユーザーの「期待」とのミスマッチ - 2019年9月6日
- 決済事業大手のマスターカード、求人に仮想通貨ウォレットに関する人材を募集。Calibraの競合となるか - 2019年8月29日
- 米国議員、Facebook主導の仮想通貨Libraについて意見交換するためにスイス訪問 - 2019年8月20日
- 米中の貿易摩擦の過熱に伴い中国マネーが仮想通貨市場に流入か - 2019年8月20日