イーサリアムのアクティブアドレス数が、2018年1月に記録した最高値を更新した。5月9日時点で794万のアドレスがアクティブな状態になるという。
ブロックチェーンのデータ分析サービスを手がけてGlassnodeによると、イーサリアムの価格高騰に伴いネットワークに接続されているアドレスの数も増え続けている。過去3日間で10万以上のアクティブアドレスが増加しているといい、2021年初旬から86%増加しているという。
暗号資産の市場動向を把握する場合、時価総額や価格の変動にばかり注目しがちだが、クジラと呼ばれる一部のユーザーによる影響が出ている可能性も否定できない。そのため、どれだけの数のアドレスがアクティブな状態にあるのかといった指標は重要な意味を持つ。
イーサリアムのアクティブアドレス数と1日あたりのトランザクション数は、2018年1月のピーク以降減少し続けていた。2020年初旬に底をうってからは徐々に増加傾向に転じており、5月9日に過去最高を更新している。
イーサリアムの場合、取引手数料であるガス代の高騰がアクティブアドレス数の増加を妨げそうだが、今回の数値を見る限りあまり影響にはなっていないようだ。これについて、ブロックチェーンデータ分析企業のNansenでCEOを務めるAlex Svanevik氏は次のように述べている。
「イーサリアムやビットコインよりも手数料を安価に抑えることができると謳っているブロックチェーンは、簡単に活動を偽ることができます。イーサリアムのアクティブアドレス数が増加し続けていることは、エコシステムが成長していることを証明する偽りのない事実です。」
イーサリアムは現在、「イーサリアム2.0」と呼ばれる大型アップデートが進められている最中だ。目的はプルーフオブステーク(PoS)への移行とシャーディングの実装である。
シャーディングを実装することでスケーラビリティ問題を解決することができ、ガス代の高騰を抑制することにも繋がるのだ。ガス代の高騰はアクティブアドレス数の増加にあまり影響を与えないといったデータがあるとはいえ、安価であれば更なる増加が期待できるだろう。
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【参照記事】Ether’s Active Addresses Pass 2018 Peak as Cryptocurrency Soars to New Price Highs
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