アリババグループ傘下のAlipay、中国CBDCに対応

※ このページには広告・PRが含まれています

中国のアリババグループ傘下の決済プラットフォーム大手Alipayが、中央銀行デジタル通貨(CBDC)に対応したことが明らかとなった。5月10日にThe Blockが報じている。

これまで中国でCBDCにアクセスするには、民間サービスを経由させずに直接国営銀行に申請する必要があった。希望者は国営銀行に対してCBDCを使用するためのウォレットをダウンロードするための申請を提出し、許可されるとウォレットをダウンロードすることができる流れだ。

Alipayのユーザーは、アプリに接続された銀行口座を使用することでCBDCにアクセスすることができるようになるという。これにより、CBDCへのアクセスが飛躍的に向上することが期待される。

今回の報道では、Alipayに加えて中国大手国営銀行の1つである中国工商銀行(ICBC)も、CBDCへのアクセス手段を提供するとされた。ICBCの提供するモバイルアプリを経由することで、CBDCを使用することができるとしている。

ICBCのアプリでは数ヶ月前よりこの機能を提供していたものの、一部のユーザーに限定する形となっていた。今回、広く一般的に提供を開始するという。具体的には、接続された銀行口座からの入金や残高の引き出し、QRコードによる支払い、P2P取引といった機能の利用が開始された。

ICBCのアプリには教育用のコンテンツが用意されており、CBDCの目的が「グローバルな民間部門の暗号資産がもたらす変革に積極的に対応すること」「金融市場の秩序を維持すること」と説明されている。

他の国営銀行からはまだサービス提供されていない中で、ICBCにより先んじての対応となった。

中国のCBDCは、別名DCEP(Digital Currency Electronic Payment)と呼ばれ世界をリードする形で2019年より実用化が進められてきた。

今回の取り組みにより、現時点で中国のCBDCにアクセスする手段は主に次の3つとなっている。

  • 専用のハードウェアウォレット
  • ログイン不要のスタンドアロン型モバイルアプリ
  • ICBCやAlipayなどのサードパーティアプリ内ウォレット

【参照記事】China’s digital yuan inches closer to full rollout with AliPay, ICBC activations

The following two tabs change content below.

株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec