イーサリアム1.0が控える次の大型アップデート「Berlin(ベルリン)」に関する内容が、1月19日に公開された。
イーサリアムでは、プルーフオブステーク(PoS)への移行に向けてこれまでに複数回のアップデートが行われてきた。昨今話題の「イーサリアム2.0」は、これまでのアップデートとは異なり、一時的に完全に別のチェーンを動かし、後にイーサリアム1.0と統合する予定となっている。
今回のアップデートは、現在稼働しているイーサリアム1.0におけるものだ。過去には、2019年2月のコンスタンティノープルや12月のイスタンブール、2020年1月のミュアグレイシャーなどの名称がつけられたアップデートが実施されている。
イーサリアムのハードフォーク設計を担当しているJames Hancock氏によると、ベルリンでは主に次の5つのEIP(改善提案)と各コードがクライアントに統合されているかどうかを示すチェックリストで構成されているという。
- EIP-2565:ModExp Gas Cost(プリコンパイルにおけるガス代の定義)
- EIP-2315:Simple Subroutines for the EVM(EVMのシンプルサブルーチン)
- EIP-2929:Gas cost increases for state access opcodes(State Accessオペコードにおけるガス代の増加)
- EIP-2718:Typed Transaction Envelope(将来的な新しいトランザクションタイプを定義)
- EIP-2930:Optional access lists(オプションのアクセスリスト)
イーサリアム1.0に対応しているクライアントのうち、Besu、Nethermind、OpenEthereumが上記全てのEIPに対応、GethがEIP-2930以外のEIPに対応する。
ベルリンは、元々は2020年7月の実行を予定していた。しかしながら、アップデートがGethに著しく依存していたため、セキュリティを担保すべくマルチクライアントの状態が整備されるまで延期となっていた。
今回、計4つのクライアントがアップデートに対応することになっている。なお、具体的な実装のスケジュールについては追って公開される予定だ。
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】GitHub: ethereum / eth1.0-specs / berlin.md
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