2050年にCO2排出を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」表明自治体89に 環境省

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環境省は4月1日、2050年に温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を表明した地方自治体が89(17都道府県、39市、1特別区、24町、8村)となったと発表した。表明自治体の人口は合計約6255万人、GDPは約306兆円となり、日本の総人口の過半数に迫る広がりを見せている。

表明自治体の東京都は、Urban 20(U20)の2019年議長都市として、U20東京メイヤーズ・サミットを主催し、「G20に向けたコミュニケ」に2050年二酸化炭素排出量実質ゼロを宣言。プラスチック、ZEV(ゼロエミッションビーグル)に関する中期目標「2030年までに都内の乗用車の新車販売台数に占める割合5割」を目指し、公共用充電器数を倍増、急速充電器は2030年までに1000基にするなど)や省エネ・再エネ施策などの強化を図っている。

神奈川県は県議会で知事が「2050年の脱炭素社会の実現を目指して全力で取り組む」と表明。県地球温暖化対策計画に基づき、事業者向けの計画書制度や住宅の省エネ化を進めるとともに、九都県市で連携して高効率家電への買替を進めている。また、「かながわスマートエネルギー計画」に基づき、再生可能エネルギーの導入拡大を図っている。今後は、新たな施策も検討しながら、2050年のCO2実質ゼロを目指す。

大阪府もゼロカーボンシティを府知事が表明し、来年度、具体策を盛り込んだ計画を立てる方針。北海道は20年の第1回定例道議会の知事表明を受け、今年度に予定している「北海道地球温暖化対策推進計画」の見直しにおいて、脱炭素社会を見据えた長期的な視点を踏まえ、取組の方向性や推進方策を検討する。

京都府は2月の「KYOTO地球環境の殿堂」表彰式で、府知事が主催者あいさつの中で宣言。京都府総合計画「京都夢実現プラン」(2019年10月策定)で「温室効果ガス排出実質ゼロへの挑戦」を掲げるとともに、現在、京都府地球温暖化対策条例および京都府地球温暖化対策推進計画の見直しに向けた検討を進めており、その中で、温室効果ガス排出量実質ゼロに向けた具体的な方策等を盛り込む予定(2021年4月改正予定)だ。ほか、自治体の表明時期と取り組みは同省ホームページで公表されている。

小泉新次郎環境大臣は4月3日の定例会見で表明自治体の人口について「今年中に6500万人という目標を達成していきたい」と意欲を示した。一方、新型コロナウィルスの感染拡大で各国のCO2排出量が減っているという発表について「こういった形で排出が減るのは喜ばしい形での脱炭素化ではない。経済構造の中で反転攻勢を期していくきっかけにしなければ」と述べた。併せて今年11月に予定されていた気候変動枠組条約締約国会議「COP26」の延期を受け、「気候危機に対しての歩みを決して遅らせることのないようやっていきたい」と意欲を示した。

【参照リリース】地方公共団体における2050年二酸化炭素排出実質ゼロ表明の状況

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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