米DocuSign(ドキュサイン)が、ブロックチェーンを使った電子契約サービスを提供するClause(クローズ)を買収したことを6月1日に発表した。
DocuSignは、ナスダックに上場する電子契約サービス最大手の企業だ。各国で電子契約に関する法整備が進む中で、リードカンパニーとして市場を牽引している。
DocuSignは以前より、契約書がただの静的なものから価値を持った動的なものへと進化していく過程に注目していたという。これがいわゆる「スマートコントラクト」だといい、契約をより効果的に実行するためにプログラムと条件が組み込まれていると説明。ビジネスをより速く効率よく、また低リスクで行うために必要な枠組みだとした。
今回の発表は、電子契約市場でブロックチェーン活用を進めるClauseをDocuSignが買収したというものだ。Clauseは、電子契約サービスにAIやブロックチェーンなどの最先端テクノロジーを組み込むことで、これまでにない製品を提供している。
特にブロックチェーンの文脈では様々なソリューションを生み出してきた。具体的には、次の4つのシーンに対応できる電子契約サービスを開発している。
- オフチェーンインバウンド:スマートコントラクトをブロックチェーンから呼び出すことが可能。契約用のコードがブロックチェーンに記録されているものの、実行は現実世界で行いたい場合に有効
- オフチェーンアウトバウンド:契約の実行をブロックチェーン上で行いたい場合に有効。Clauseを第三者(仲介者)として信頼することが前提
- オンチェーンCiceroエンジン:第三者を介入させずに全てをブロックチェーン上で実行したい場合に有効。複数のノードによってスマートコントラクトの実行を承認する
- オンチェーンErgoコンパイル:3つ目のシーンに類似。違いとしては、Ciceroエンジンを使うかErgoロジックによるコンパイルを行うか
今回の買収により、将来的にDocuSignの提供するサービスにブロックチェーンが活用される可能性が浮上した。広く浸透しているサービスにブロックチェーンが活用されることで、一気にブロックチェーンの社会実装が進むことが期待できるだろう。
【参照記事】Taking the Next Step in Our Smart Agreement Journey
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株式会社techtec リサーチチーム
「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec
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