Facebook主導のDiem(旧:Libra)プロジェクトで使用されるウォレット「Novi」が、米国の大部分の州でライセンスを取得したことが明らかとなった。共同創業者のDavid Marcus氏が自身のブログを8月18日に公開した。
2019年6月にプロジェクトを発表して以降、2年以上の歳月をかけてDiemプロジェクトがローンチを間近に控えている。元々は、Libraプロジェクトとしてスタートし、ウォレット名はCalibraとされていたものの、各国の規制当局より度重なる反発を受けてリブランディングを行なっていた。プロジェクト名は「Diem(ディエム)」、ウォレット名は「Novi」とされている。
Libraの頃は、世界共通のステーブルコインを開発することを目的としていたものの、現在は各通貨を裏付け資産に持つステーブルコインとなっている。まずは米国でのローンチを目指しており、今回の発表で大部分の州における認可を得たことが明らかとなった。
Marcus氏によると、世界には銀行口座を持たない人が約17億人いるとし、持っていても十分な金融サービスを享受できていないという。米国にも6,200万人が銀行口座を有していないと言及した。また、国際送金にかかるコストは平均で6.5%にのぼるといい、これは持続可能な開発目標である3%の2倍以上にあたると強調している。これだけのコストをかけても、送金が完了するのに平均3日間の時間を要するという。
新型コロナウイルスの影響により、世界中のデジタル取引は2025年までに67%に上昇するとし、この変革についていけない人々を救う必要があると説明した。そのために必要な要素が、デジタル資産を取り扱うことができるウォレットになるという。
Marcus氏は、「ステーブルコイン自体は問題を解決しません。ステーブルコインの可能性を解放するには、より安く、より速く、より安全で相互運用が可能な決済ネットワークと組み合わせる必要があるのです。」と言及している。
Noviは、大部分の州で事業を開始するための認可を得たとしているが、まだ米国全土ではないという。規制に準拠する形で提供地域を拡大するとし、認可を得ていない地域ではサービス提供は行わないと説明した。
【参照記事】Good stablecoins, a protocol for money, and digital wallets: the formula to fix our broken payment…
株式会社techtec リサーチチーム
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