日本経済新聞は1月13日、ディーカレットホールディングスが2月にも傘下の暗号資産関連事業を手掛けるディーカレットを、香港のスタートアップ企業であるAmber Groupに売却する方針を固めたと報じた。売却額は数億円とされている。
ディーカレットは2019年3月に暗号資産交換業登録を完了させ、国内暗号資産取引所ディーカレットとして事業を展開していた。2021年3月には、NTTなどを引受先とした67億円の第三者割当増資を実施している。
しかし、後発の取引所だったこともあり、国内大手取引所のビットフライヤーやコインチェックなどとの競争に対抗できず、業績が伸びなかったことが今回の事業売却に繋がったと報じられている。
売却先は香港発のスタートアップ企業であるAmber Groupだ。2017年に設立されたAmber Groupは、金融機関・投資家向けに暗号資産OTC取引やデリバティブなどの暗号資産取引サービスを提供しており、台北やバンクーバーにも拠点を置いている。
Amber Groupは、2021年7月にシリーズBで110億円の資金調達を行っており、企業価値は1,000億円を突破していた。また、2021年9月には株式市場への直接上場を計画していることも報じられている。
ディーカレットホールディングスは暗号資産事業売却後、2022年の発行を目指すデジタル通貨「DCJPY」事業に専念するとされている。DCJPYとは、銀行が発行主体となる日本円連動型の「円建て」デジタル通貨だ。
ディーカレットホールディングスは、DCJPYのプロジェクトを担う「デジタル通貨フォーラム」の事務局を務めている。デジタル通貨フォーラムには、他にも3メガバンクやNTTグループなどが参画済みだ。
今回の報道に関して、ディーカレットホールディングスは「報道内容については、当社が発表したものではなく、現時点で暗号資産事業売却の最終的な機関決定はなされていない。」と回答している。
【参照記事】ディーカレットHD、暗号資産事業を売却へ 香港企業に
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株式会社techtec リサーチチーム
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