バイデン政権下における暗号資産規制に動きが出ていることがわかった。米メディアThe Washington Postが5月26日に報じている。
The Washington Postの報道によると、バイデン政権やその他国会議員、中央銀行を中心に複数回にわたって暗号資産に対する議論を重ねているという。ホワイトハウスの政府関係者は、5月初旬に財務省の役人から暗号資産のリスクについて意見を求められたとしている。
Janet Yellen財務長官のような主要レベルの人物は含まれていないものの、財務省の通貨監督庁(OCC)と消費者金融保護局(CFPB)を含む連邦規制当局が議論に参加しているとのことだ。
議論の焦点になっているのは、暗号資産がマネーロンダリングやテロ資金供与に使用されていないかどうかだという。また、一般投資家が暗号資産を購入する際に何か保護を施す必要がないかについても調査しているとした。
背景には、テスラのElon Musk氏による発言や中国の規制などによる影響から、ビットコインが大幅な値動きを繰り返している状況が関係しているという。一般投資家の保護だけでなく、市場の混乱に乗じて犯罪にビットコインが使用されている可能性を指摘した。
2021年になりトランプ政権からバイデン政権へと移行したことで、暗号資産に関して検討されていた法案は全て一時的に保留の状態となっていた。各国が新型コロナウイルスへの対策を最優先に行う中、米国では徐々に暗号資産への議論が再開されつつあるようだ。
新型コロナウイルスの影響から、米国でもCBDCをはじめとするデジタル通貨の発行を議論する機会が増えており、今回の報道でもCBDCと暗号資産の兼ね合いについて言及されている。
米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)は、FacebookのDiemを引き合いに出し民間企業によるデジタル通貨が法定通貨を席巻するのではないかとの懸念を示しているという。
米国民全体の25%は銀行口座を保有していないとされ、銀行口座を介さないデジタル通貨の発行は避けられないとの見方も強まっている。こうした中で、暗号資産とデジタル通貨との違いを明確化することや、民間発行の通貨との住み分けを行うために議論が進められている状況だ。
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