コインチェックがグループ入り後最高益を大幅更新する一方で、コイネージは事業撤退

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国内暗号資産取引所コインチェックを運営するマネックスグループが、2021年3月期第3四半期の決算発表を1月29日に行なった。全セグメントで前期比大幅成長を記録する中、暗号資産事業にあたるクリプトアセット事業セグメントが収益を押し上げている。

「日本セグメント」「米国セグメント」「クリプトアセット事業セグメント」の3つから構成されるビジネスポートフォリオの中で、昨年同期時点では1%であったクリプトアセット事業セグメントの割合が、今期は40%にまで成長。全セグメントの中で最も大きな割合に急成長した。

急成長の要因は暗号資産市場の活況によるものとされ、税引前利益は前四半期比3.3倍の24.2億円となっている。これは、マネックスグループ入り後最高益を大幅に更新する結果となった。

アプリダウンロード数は326万ダウンロードを突破し、国内の暗号資産取引アプリで2年連続の1位を記録している。本人確認済口座数は104万口座と、昨年比13%成長で着地した。これは、国内25業者の本人確認済口座数における約28%のシェアを占めるという。

今後は、暗号資産取引所および販売所による顧客基盤の拡大を軸に、IEOやNFT、ステーキングといった新事業展開を推進するという。

依然として好調な事業展開をみせるコインチェックに対して、マネーパートナーズグループ傘下のコイネージが、2020年7月の暗号資産取引所事業参入後わずか半年での事業撤退を発表した。

コイネージは1月29日、事業撤退の理由を次のように説明している。

「当社は、2020年7月27日の開業以来、暗号資産の現物販売所としての事業を行ってまいりました。しかしながら、暗号資産交換業の登録事業者が増加し競争が激化する中、計画していた顧客獲得、収益を大きく下回る状況が継続しており、将来的にも当該事業の業績の改善を図ることは困難であると判断し、当該事業からの撤退を決定いたしました。」

今後は、2021年2月1日以降の新規口座開設の受付を停止し、3月末を予定している事業廃止日までに既存顧客の利用も順次停止していくという。

一方で、コイネージのグループ会社であるマネーパートナーズでは、「暗号資産関連店頭デリバティブ取引事業」を提供していく方針を同日に発表した。同社は2017年9月に暗号資産交換業のライセンスを取得しており、既存事業既存事業の「外国為替証拠金取引」と「店頭商品デリバティブ取引」と合わせて提供する。

コイネージが発表した事業撤退の理由にある通り、国内における暗号資産取引所事業は今や激戦区となっている。規制の厳格化に伴い取引所ごとの差別化戦略が困難を極め、新規参入者にとっては事業を運営するほど赤字幅が膨らむ状態になっていることだろう。

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株式会社techtec リサーチチーム

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