米暗号資産取引所Coinbaseが3月7日、ロシアに関連する2万5,000個のウォレットアドレスをブロックしたことを明らかにした。同国によるウクライナ侵攻への米国の制裁が影響しているとみられる。
ブロックの対象となったのは、ロシアの個人または企業に関連すると思われるアドレスだ。独自の調査に基づいて対象のアカウントを割り出し、米国による制裁を支援するために政府へ共有したという。
Coinbaseで最高法務責任者を務めるPaul Grewal氏は、Coinbaseが世界経済の自由と安全を実現するために「経済制裁の遵守」は必要なことであると説明。また、暗号資産の特性を活かすことで従来の金融サービスよりも高いトラッキング精度を発揮できることに言及した。
暗号資産は、取引履歴が全てブロックチェーンに記録されるため、アドレスに紐づくトランザクションを容易に追跡することが可能だ。このような性質を元に、Coinbaseは独自の調査を行いブロック対象とするアドレスを選定したようだ。ブロック対象となったアドレスがどのような活動を行ったのかについては明らかにしていないものの、Coinbaseの声明の冒頭でロシアによるウクライナ侵攻について触れられている。
暗号資産業界では、ロシアへの対応について続々と新たな動きが出てきている。スイス政府は、米国と同様にロシアの個人および企業に関連するアカウントを凍結する方針を公表した。具体的には、スイス政府が世界の主要な暗号資産取引所へ働きかけを行い、取引所内のアカウントを使用できないよう呼びかけるようだ。
日本でも、金融庁が認定自主規制団体の日本暗号資産取引業協会(JVCEA)と協議を行っていることが報じられている。現時点では、ロシアのユーザー全てをブロックするのではなく、制裁リストに掲載されている一部の個人や企業を対象にブロックする計画を立てているという。
【参照記事】Using Crypto Tech to Promote Sanctions Compliance | by Coinbase
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