ドバイ政府は3月9日、ドバイ暗号資産規制法を公布し、暗号資産事業に関する新たな政府機関を設置することを発表した。
今回の暗号資産規制法は、投資家を保護するための高度な法的枠組みの構築と暗号資産業界のガバナンスに関する基準を設置することにより、規制下で責任あるビジネスの成長を促進することを目的としている。
この法律では、ドバイ首長国における暗号資産サービスの規制、監督及び管理の権限を持つ規制当局の任務と権限が定義されている。ドバイ政府は同法に基づき、新たな規制当局であるドバイ暗号資産規制機関(Dubai Virtual Asset Regulatory Authority:VARA)を設置する。
また同法は、規制当局が暗号資産の分類や種類の指定に加えて、管理サービス、清算・決済サービスなどの暗号資産事業に関する規則を制定することを義務づけているとのことだ。
VARAが管理する暗号資産事業は「暗号資産プラットフォームサービスの運営および管理、国内外における、暗号資産と法定通貨の交換サービス、暗号資産同士の交換サービス、暗号資産譲渡サービス、暗号資産の保管と管理サービス、暗号資産ポートフォリオに関するサービス、トークンの提供および取引に関するサービス」と記載されている。
政府の発表によると、VARAはドバイ世界貿易センターの関連機関として運営され、ドバイを含むアラブ首長国連邦(UAE)の暗号資産サービスプロバイダーのライセンス発行やコンプライアンス体制監督などを担当するという。
これらの活動を行う企業は、VARAの認可を得る必要があり、UAEに事業拠点を置く企業のみに与えられる予定である。また、暗号資産取引所のほかに、VARAは暗号資産分野におけるカストディ企業、資産管理会社などの活動もカバーし規制する方針だ。
UAEの金融規制当局は昨年9月、ドバイ世界貿易センターにおける暗号資産に関する金融活動について支援を行うことを発表している。また、昨年12月にはBinanceがドバイ世界貿易センターと覚書(MoU)を締結し、グローバルな新しい暗号資産エコシステムの構築を支援すること、そしてドバイ世界貿易センターが暗号資産を取り扱う包括的な区域および、規制機関となることを発表していた。
【参照記事】Dubai creates agency for virtual asset regulation
株式会社techtec リサーチチーム
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