米銀大手のシティグループ(ティッカーシンボル:C)は8月3日、アジア太平洋地域の顧客を対象に、預金をサステナビリティ領域のプロジェクトへ充当する新たな定期預金商品をリリースした(*1)。サステナブルな投資商品・サービスを選択したいという考える顧客需要に対応する。
新たに開発した「サステナブル定期預金」は、シンガポールと香港の法人および機関投資家を対象に提供され、来年までに他のアジア太平洋地域の国々でもサービスを展開する計画だ。シティが策定したグリーンボンド・フレームワーク、ソーシャル・ファイナンス・フレームワーク、アフォーダブル住宅向けソーシャルボンド・フレームワークにもとづき、顧客が預けた資金は適格グリーンプロジェクトおよびソーシャル・ファイナンス・プロジェクトへ振り向けられる。これらのフレームワークは、国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)と整合する。
顧客の預金の振り向け先となる環境プロジェクトとしては、再生可能エネルギー、エネルギーの効率化、持続可能な交通、グリーンビルディング、水質保全が挙げられる。ソーシャルプロジェクトに関しては、水・衛生、デジタルコネクティビティ、ヘルスケア、教育、アフォーダブル住宅、起業家・小規模農家向け融資となる。米国のアフォーダブル住宅プロジェクトでは、低中所得者向けの住宅の建設、改修、保全に資金を充てる。
リクイディティ・マネジメント・サービス、トレジャリー&トレード・ソリューション部門グローバルヘッドを務めるステフィン・ランダル氏は「サステナビリティはわれわれの事業戦略を形作り、商品・サービスに組み込まれる概念だ。あらたな預金ソリューションは、顧客ニーズに適したさまざまな金融・投資サービスの提供につながる」と述べた(*1)。
シティは2030年までに1兆ドル(約135兆円)のサステナブルファイナンス目標の達成にコミットする。5月下旬には、英国、アイルランド、アブダビでも同様の商品の取り扱いを開始している(*2)。
【参照記事】*1 シティ「Citi Unveils Sustainability-linked Deposit Solution for Corporate & Institutional Clients in Asia Pacific」
【関連記事】*2 シティ、預金をサステナブル領域へ充当するサービス開始。ESG分野の取り組み拡大へ」
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