シティ、預金をサステナブル領域へ充当するサービス開始。ESG分野の取り組み拡大へ

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米銀大手のシティグループ(ティッカーシンボル:C)は5月25日、顧客が預けた資金をサステナビリティ領域のプロジェクトへ充当し、ESG(環境・社会・ガバナンス)分野での取り組み機会を提供する新たな預金商品の提供を開始した(*1)。自社だけでなく顧客をも巻き込んでサステナブルな取り組みを推進する。

新たに提供を開始した預金商品は、「サステナブル定期預金(TD)」と「サステナブル最短満期定期預金(MMTD)」の2つであり、いずれも競争力のある金利を提供する。シティが策定したグリーン・ソーシャルボンド(#1)・フレームワークにもとづいており、持続可能な開発目標(SDGs)もサポートする。預金商品の取扱となるため、証券は発行せず、TDおよびMMTDの収益は原資産のリターンに連動しないという。両商品は英国、アイルランド、アブダビで取り扱いを開始した。

顧客の預金はグリーン・ソーシャルプロジェクトに振り向けられる。具体的には①再生可能エネルギーやエネルギーの効率化、持続可能な交通、グリーンビルディング、水の質・保全といったグリーンプロジェクト、②水・衛生、デジタルコネクティビティ、ヘルスケア、教育、アフォーダブル住宅へのアクセス改善、起業家・小規模農家向け融資といったソーシャルプロジェクト、③米国のアフォーダブル住宅プロジェクトとなる。

シティのリクイディティ・マネジメント・サービス、トレジャリー&トレード・ソリューション部門EMEA(欧州・中東・アフリカ)地域ヘッドを務めるクゼスロー・ピアセクは、「サステナビリティはもはや経営層のみが議論するものではなく、財務・トレジャリー部門が自社のESG関連目標の達成をサポートする戦略的な役割を演じることができる」と述べた(*1)。新たな預金商品はサステナブルファイナンスやESGにひもづいた投資サービスを通じて、顧客のESGコミットメントを促すという当行のコミットメントを反映したものだという。

世界各国の金融機関が持続可能な社会の形成に向けた取り組みを強化している。最近では、フランスの大手銀行ソシエテ・ジェネラル(GLE)傘下にて短期のファイナンスに特化したサービスを提供するソシエテ・ジェネラル・ファクタリングが、環境や社会にポジティブなインパクトをもたらす企業活動への融資と、野心的なCSR(企業の社会的責任)戦略を策定した企業向けのサステナビリティ・リンク・ソリューションの提供を開始した(*2)。

(#1)グリーンボンド…企業や地方自治体などが、環境改善効果のあるプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券。

ソーシャルボンド…企業や地方自治体などが、特定の社会的課題の解決への貢献を目指すソーシャルプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券。

(#2)持続可能な開発目標…2030年までに持続可能なよりよい世界を目指す国際目標。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っている。

【参照記事】*1 Bussiness Wire「Citi Launches New Deposit Solutions to Support Clients’ Sustainability Agenda
【参照記事】*2 ソシエテ・ジェネラル「Societe Generale Factoring launches a range of solutions related to environmental and social criteria

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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