大手通信社のAP通信は10月21日、分散型オラクルのChainlinkと提携し、経済やスポーツなど同社の報道データをブロックチェーン上に記録することを発表した。これにより、DAppsなどの開発者は、AP通信の提供する情報を利用できるようになる。
Chainlinkは、2017年6月にローンチされた分散型オラクルネットワークだ。ブロックチェーンの外に存在するデータを、DAppsのスマートコントラクトで取り扱えるようにする仕組みを提供している。
AP通信は11月2日より、AP通信のプラットフォームを利用している15,000以上の報道機関に対して、選挙、経済、スポーツなどに関する発表をブロックチェーン上で自動化して提供するという。これらのデータはすべて、AP通信が作成したものであることを証明するために、暗号化して署名される。
AP通信は、Chainlinkと提携することで「あらゆるブロックチェーン内で容易に互換性を持たせ、アクセスを可能にし、収益化することが可能になります」とコメントした。
2020年以降、AP通信はブロックチェーンを利用することで、改ざんが困難なニュースの作成・発表に積極的に取り組んでいる。一つの例が、前回の米大統領選挙だ。AP通信は「バイデン氏が次期大統領になるだろう」というAP通信独自の予測をブロックチェーン上に掲載していた。AP通信は、ブロックチェーン企業のEveripediaと提携することで、誤報を減らし検証可能な選挙結果の提供に取り組んでいる。
AP通信のブロックチェーン・データライセンス担当ディレクターのDwayne Desaulniers氏は、「AP通信は事実に基づいた情報を世界中で提供する重要な機関です。今回の提携はユーザーに信頼できるデータを提供する機会となります。今後、ブロックチェーンネットワークは、真実を追求していく上で重要な技術になるでしょう。」と述べている。
AP通信はこのほかにも、ブロックチェーン分野に関する取り組みを行っている。今年5月には、米軍兵士が硫黄島に星条旗を掲げる写真など、歴史的な瞬間を切り取ったNFTアートを発行していた。
【関連記事】仮想通貨Chainlink(チェーンリンク:LINK)徹底解説!スマートコントラクトと外部情報を結びつける、分散型オラクルネットワーク
【参照記事】AP Definitive Source | Putting the facts on blockchain
株式会社techtec リサーチチーム
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