英石油大手BP(ティッカーシンボル:BP)と米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングス(HTZ)は9月27日、北米のハーツ店舗で、BPのEV充電ステーション「bp pluse」のネットワーク構築に向けて覚書(MOU)を締結した(*1)。
同契約を通じて、BPはハーツ店舗でのbp pluseの運営および充電管理ソフトウェア「Omega」のカスタマイズも担う。ハーツが電動レンタカーの導入を進めるなか、急速かつ効率的に充電を行えるようにする狙い。Omegaは電力価格が安いときに自動的に充電し、電力使用量などをリアルタイムに可視化する。
ハーツは北米に拠点を張りめぐらしており、同社顧客やタクシー、ライドシェアリングなどを対象に、急速充電ハブのネットワーク構築・管理を図るBPにとって最適なパートナー企業となる。
bp pluseは乗用車、商用車、トラックを急速充電するグローバルネットワークを拡充する。2030年までに10万台以上の充電器の設置を目指し、そのうち約90%は急速もしくは超急速充電器とする。
ハーツは米テスラ(TSLA)、スウェーデンのポールスター(PSNY)、米ゼネラル・モーターズ(GM)からEVを大量に購入しており、38州の500店舗でEVを利用することができる。ハーツは24年末までに自社保有者の3分の1を電動化する方針。BPとの提携により、全国的な充電ネットワークの拡充を持続的に行える見通しである。
EVの普及拡大を図るうえで、EV充電ステーションの大幅拡充は乗り越えなければならない課題だ。現在では多様な業界プレーヤーがこの課題解決に向けた取り組みを推進している。
仏電気大手シュナイダーエレクトリック(SU)は、世界初となるホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)に接続したEV充電ステーションを販売する(*2)。EVの充電時間の制御、二酸化炭素(CO2)排出量のモニタリング、再生可能エネルギーの優先利用、および光熱費の削減につなげる。米スターバックス(SBUX)は、スウェーデン高級車大手のボルボ・カー(VOLVAR-B)と提携し、スターバックスの店舗でEVを急速充電する実証実験を開始する(*3)。
日本国内ではオリックス(銘柄コード:8591)が、EV充電システムのユビ電と提携し、25年までにEV充電器を5万基設置すると発表した。これは政府目標の3分の1に相当する規模となる。
【参照記事】*1 BP「Hertz, bp collaborate to accelerate EV charging in North America」
【参照記事】*2 シュナイダーエレクトリック「Schneider Electric launches world’s first EV charger to keep energy bills and CO2 emissions in check」
【関連記事】*3 米スターバックス、店舗でEVを急速充電。ボルボ・カーと提携
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