5月1日よりアクティベート期間が開始していたビットコインの大型アップデート「Taproot」で、90%以上のマイナーがサポートを表明したことがわかった。現時点で95%以上に到達している。
Taprootは、2018年にビットコインコミュニティで提案された大型アップデートで、スケーラビリティとセキュリティ性能を向上させる実装案だ。Taprootで「シュノア署名」と呼ばれる仕組みが実装されるため、ブロック内に記録されるデータ容量を削減することができ、同時にトランザクションの匿名性が向上させることにも繋がる。
より具体的には、通常ブロックに格納する署名(シグネチャ)部分をブロックの外部領域に切り出して記録する。こうすることで、先述の通りブロック内部に記録するデータ容量が削減されるだけでなく、署名とトランザクションを切り離して記録するため匿名性の向上にも寄与するのだ。
今回のアクティベート期間は、予め3ヶ月という期限を決めた上で開始される稀なケースとなっていた。ビットコインでは、通常1つのアップデートに対して長い期間かけてディスカッションを行い意思決定をくだす。これは、分散型システムの特徴であり特定の誰かに依存しないことを示す裏付け要素にもなっていた。
しかしその反面、なかなか意見がまとまらず開発が進まないことが課題として指摘されていたため、今回のTaprootでは期限を決めた上でアクティベート期間が開始されている。
Taprootでは、マイナーのアクティベート率が90%を超えた場合に、ネットワークへ正式に展開されることになっていた。3ヶ月の期限を待たずにアクティベート率が90%を超えたため、無事Taprootは実装されることになる。
現時点で、Taprootのサポートを表明したマイニングプールには、15%以上のシェアを持つF2Pool(15.51%)やAntPool(15.14%)、Poolin(14.16%)、Binance Pool(7.15%)、Huobi Pool(5.42%)などがあげられる。
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【参照記事】Taproot activation
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