暗号資産・ブロックチェーンの分析サービスを提供するChainalysisが、2020年の1年間でビットコインによる取引利益を得た国のトップ25ランキングレポートを6月7日に発表した。日本は米国、中国に次いで第3位に位置している。
Chainalysisのレポートでは、過去最高値をつけた2020年に誰が最も恩恵を得たかといった切り口から始まった。暗号資産に国境はないため、国ごとに取引利益を算出するのは困難だとしつつも、各国の取引所のWebサイトが占めるトラフィックシェアに基づき計測を試みたという。
下図の通り、2020年におけるビットコイン取引による利益を得た国を算出している。米国(41億ドル)、中国(11億ドル)に次いで日本(9億ドル)が第3位に入り、以降はイギリス、ロシア、ドイツと続いた。米国が第2位の中国に約4倍もの差をつけていることが顕著だが、注目すべきは国内での暗号資産取引が明確に禁止されている中国が第2位に入ったことだろう。
Chainalysisは、単純な取引利益からは見えてこないインサイトがあることを指摘している。GDPを基にした従来の経済水準では低いランキングに位置している国でも、ビットコイン取引の利益では高いランキングに位置している傾向があるという。具体的には以下の例をあげた。
- チェコ:GDPは2,510億ドルで54位だが、ビットコインの取引利益は2億8,100万ドルで18位
- トルコ:GDPは7,610億ドルで25位だが、ビットコインの取引利益は3億ドルで16位
- スペイン:GDPは1.4兆ドルで19位だが、ビットコインの取引利益は5億5,400万ドルで9位
一方で、逆のパターンも顕著に見られるという。例えば、インドはGDPが2.9兆ドルで5位に位置するものの、ビットコイン取引利益は2億4,100万ドルの18位にとどまっている。
レポートの最後では、ビットコインが新興市場の投資家に対して、他の方法ではアクセスできなかった可能性のある金融資産へのアクセスを実現したと言及している。
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【参照記事】Bitcoin Gains by Country: Who Benefited the Most from the 2020 Boom?
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