アマゾン新設フルフィルメントセンター 2023年内に世界初のILFIゼロカーボン認証取得へ 

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米アマゾン・ドット・コム(ティッカーシンボル:AMZN)は2022年10月26日、同社カリフォルニア州サクラメントにある新設のフルフィルメントセンター(物流・配送拠点)が、世界初となる国際リビング・フューチャー協会(ILFI)のゼロカーボン認証を取得したロジスティクス施設になる見込みだと発表した(*1)。同ロジスティクス施設を1年間稼働した後となる2023年内にILFI認証を取得する見通しである。

当日配達に対応したフルフィルメントセンター(別名:SCA5)は、炭素排出の削減と業務効率化を図る革新的なテクノロジーを導入する。サクラメントの顧客宅近くに立地しているため、注文から数時間以内で荷物を届けることができる。

建物は世界の二酸化炭素(CO2)排出量の40%近くを占めており、産業および交通部門よりも多くのエネルギーを消費している。そのため、SCA5のような建物を設計・運営することが、持続可能で繁栄したコミュニティを形成すると共に、経済成長を遂げるための重要な機会となる。ILFIプログラムの下では、100%再生可能エネルギーを使用し、建設に関連した排出を100%オフセットすることが求められる。

ワールドワイド・サステナビリティ部門のバイスプレジデントを務めるカラ・ハースト氏は「Climate Pledge(気候変動対策に関する誓約)の下で40年までのカーボンニュートラル実現にコミットするなか、この新たな施設は持続可能な建設という面で大きく前進する。ゼロカーボン認証の取得および環境に与えるインパクトを抑えるべく、低炭素コンクリートのような持続可能な建設資材をより多く使用し、完全電化のHVAC(暖房・換気・空調)システムや高性能なマテリアルハンドリング機器を導入している。また、100%再生可能エネルギー由来の電力と水使用量の削減につながるスマート灌漑システムを利用している。」と述べた(*1)。

さらに、屋根と壁に断熱材を入れ、屋根を白色にすることで熱吸収を軽減し、マテリアルハンドリング機器には高性能なモーターや低摩擦のベルトおよびローラーを使用することで、エネルギー使用量の節約につなげている。ループトップ型太陽光発電により、SCA5で必要な年間エネルギー量の80%ほどをまかなうという。なお、アマゾンの生鮮ストア「アマゾン・フレッシュ」や、同社が命名権を保有する米ワシントン州シアトルの屋内競技場「クライメット・プレッジ・アリーナ」でもILFIのゼロカーボン認証の取得を目指す。

アマゾンは40年カーボンニュートラル達成に向けた取り組みを推進する。2022年8月には、米燃料電池システム開発プラグ・パワー(PLUG)と、25年より年間10,950トンの「グリーン水素」を調達する契約を締結した(*2)。2022年9月には、新たに71件の再生可能エネルギー関連プロジェクトを開始すると発表。これらのプロジェクトが稼働することで、毎年、米国の460万世帯の電力需要を賄うのに相当する5万ギガワット時のクリーンエネルギーを生みだす見込みだ。

【参照記事】*1 アマゾン「Inside Amazon’s newest Same-Day facility on track to be the world’s first ILFI Zero Carbon Certified
【関連記事】*2 アマゾン、25年よりグリーン水素を年1万トン調達へ。プラグ・パワーから

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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