1月25日よりbitbankがメイカー(MKR)の取り扱いを開始することを発表しました。今回の上場は日本初上場で、メイカーはステーブルコイン(DAI)を発行・管理やレンディングプラットフォームを提供するプロジェクトで、注目が集まっています。
そこで今回は、メイカー(MKR)について解説したいと思います。
目次
- メイカー(MKR)とは?
1-1. メイカー(MKR)の概要
1-2. MKRの基本スペック
1-3. MKRの特徴 - Daiと密接な関係にあるMKR
2-1. Daiとは?
2-2. DaiとMKRの関係 - 国内でMKRを購入するなら
3-1. bitbankの概要
3-2. MKR取引手数料無料キャンペーンも - まとめ
1. メイカー(MKR)とは?
まずはメイカー(MKR)に関する基本的な事項の解説をします。
1-1. メイカー(MKR)の概要
メイカーは、2014年に設立されたMakerDAOという仮想通貨プロジェクトのガバナンストークンです。MakerDAOはイーサリアムブロックチェーン上のオープンソースプロジェクトで、このプロジェクトは、DAOという名が示すようにガバナンストークンであるMKRを保有する世界中の人々によって管理されています。開発は、Maker Foundationを中心に外部パートナーとの協力により構築されました。
関連した独立組織であるDai Foundationはデンマークに拠点があり、商標やコードの著作権などのMakerコミュニティの重要な無形資産を保護するために設立、運営されています。Dai Foundationの目的は、Dai Foundation信託証書に記載されているとおり、Makerプロトコルで技術的に分散化できないものを保護することです。
1-2. MKRの基本スペック
MKRの仮想通貨としてのスペックは以下の通りです。
ティッカーシンボル | MKR |
現在の価格(2022年1月20日現在) | 2008.08ドル(22.99万円) |
時価総額 | 約19.77億ドル(2263.6億円) |
時価総額ランキング | 58位 |
循環サプライ | 約98.4万 |
発行上限 | 約100万 |
1-3. MKRの特徴
Makerプロトコルは、イーサリアムブロックチェーン上で最大の分散型アプリケーション(DApps)の1つであり、幅広く普及した最初の分散型金融(DeFi)アプリケーションの一つとされています。そんなMKRの特徴は、イーサリアムブロックチェーン上に構築されたMakerプロトコルを利用することで、ユーザーがステーブルコインなどを生成することができる点です。
MakerDAOでは、さまざまな取り決め・システムの変更を実施する際に「MKR」が議決権として使用される仕組みとなっています。MakerDAOにおける意思決定に投票する際にはこのMKRが必要になるため、MKRの保有量が多い人ほど、MakerDAOにおける意思決定に影響を及ぼすことができるようになります。
2. Daiと密接な関係にあるMKR
次にMKRとDaiについて解説します。
2-1. Daiとは?
Daiとは、前述したようにMakerDAOプロジェクトで使用されるMKRプロトコルの元に発行される米ドルとペッグされたステーブルコインです。
米ドルのステーブルコインコインは、他にもテザー(USDT)、トゥルー・USドル(TUSD)、パクソス・スタンダード(PAX)などのステーブルコインがありますがありますが、これらのステーブルコインは、基本的に法定通貨である米ドルとペッグされ、中央集権的な組織により管理、運営されています。
一方でDaiは、価値の裏付けとなる担保資産(イーサやBAT)をVaultに預け入れることで発行されます。当初は1Dai=1USDであることを維持するためにイーサ(ETH)を使用していたDaiですが、現在では価格の裏付け資産にBasic Attention Token(BAT)も利用され、複数の裏付け資産があることにでDaiの価格はより安定的になるとされています。
中央集権的なステーブルコインは、その裏付けとなる米ドル資産が保有されているのかなどの疑念が持たれることがある一方で、Daiはブロックチェーン上にその証拠と履歴が残る点が、Daiが信頼を勝ち得ている理由とも言えるでしょう。
2-2. DaiとMKRの関係
DaiトークンとMKRの関係ですが、Daiはステーブルコイン、MKRはDaiを発行するためのMakerDAOプロトコルのガバナンストークンであるという点で大きく性質が異なるものですが、両者は密接な関係で結びついています。
MKRは単なるガバナンストークンやユーティリティトークンとしての役割にとどまらず、MakerDAOにおいて予期せぬ自体に備えた調整弁としての役割を持っているのです。具体的には、大きな損害などによりDai価格が暴落したなど緊急の際、MakerDAOはMKRを新規発行して資金調達を行うことができます。
3. 国内でMKRを購入するなら
最後にMKRを国内で初上場するbitbankについての概要と、キャンペーンについて解説します。
3-1. bitbankの概要
bitbankは、「ビットバンク株式会社」によって、2014年に国内4番目の仮想通貨取引所として早い時期に認可を受けた仮想通貨取引所です。アルトコインの取扱いとスプレッドの狭さに強みがあり、2018年5月にはリップル(XRP)の出来高世界一を記録するなど流動性の多さにも特徴のある仮想通貨取引所です。
bitbankは仮想通貨関連の様々なサービスを提供するだけではなく、仮想通貨・ブロックチェーンの教育ビジネスである「ブロックチェーン大学校」を開校するなど、仮想通貨の普及に関しても積極的な展開をしています。
3-2. MKR取引手数料無料キャンペーンも
今回の上場を記念して、bitbankでは、「MKR取引手数料無料キャンペーン」が行われます。これは、「日本時間2022年1月25日〜2022年2月24日午前09時59分」までの期間限定で、通常「メイカー手数料:-0.02%」「テイカー手数料:+0.12%」必要なbitbankの取引所での手数料が0%になるというものです。対象通貨ペアは「MKR/JPY」と「MKR/BTC」となります。
また、bitbankのレンディングサービスである「暗号資産を貸して増やす」についても、上場予定日である1月25日より、MKRについても募集を開始すると発表されています。bitbankのレンディングサービスでは、最大年率3%の仮想通貨を1年後に受け取ることができます。
4. まとめ
ステーブルコインは、現在仮想通貨業界においても非常に注目されるプロダクトとなっています。日本にいると想像しづらいかもしれませんが、自国の通貨の信頼性が低い国ではこうしたステーブルコインの存在が金融包摂に貢献するものとして認識されているためです。
中央銀行の政策などに左右されないことを目指して生まれたのが仮想通貨ですので、分散型の透明性の高いMakerDAOのステーブルコインやそのガバナンストークンであるMKRに大きな期待が寄せられているのも頷けることと思います。また、新規上場のタイミングは該当仮想通貨のボラティリティが高くなり、トレードのチャンスでもあります。この機会にぜひbitbankでMKRのトレードにチャレンジしてみるといいでしょう。
中島 翔
最新記事 by 中島 翔 (全て見る)
- 脱炭素に向けた補助金制度ー東京都・大阪府・千葉県の事例 - 2024年10月22日
- 韓国のカーボンニュートラル政策を解説 2050年に向けた取り組みとは? - 2024年10月7日
- NCCXの特徴と利用方法|ジャスミーが手掛けるカーボンクレジット取引所とは? - 2024年10月4日
- Xpansiv(エクスパンシブ)とは?世界最大の環境価値取引所の特徴と最新動向 - 2024年9月27日
- VCMIが発表したScope 3 Flexibility Claimとは?柔軟なカーボンクレジット活用法を解説 - 2024年9月27日