仮想通貨(暗号資産)ステラ(XLM)とは?特徴・仕組み・購入方法を解説

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証券会社を経て、仮想通貨(暗号資産)取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔氏のコラムを公開します。

目次

  1. ステラとは?特徴は?
  2. ステラの特徴は?XRPとの違いは?
    SCP(ステラコンセンサスプロトコル)
    XLMの発行量
    ステラとXRPの価格の相関が強い
  3. 大手企業と提携が進行中
  4. ステラの購入方法は?

仮想通貨と一言で言っても、数千もの種類が存在し、機能は様々、日々のニュースを追うだけでも大変なマーケットです。仮想通貨に興味を持って投資先を見つけたいと考える方も多いと思います。

ここではコインチェック等にリスティングされているステラ(XLM)という仮想通貨に焦点を当てて解説したいと思います。

この記事を読んで頂くと、初心者でもステラの概要がしっかり理解できるような内容を、できる限り記載していきたいと思います。

ステラとは?特徴は?

XLM Stellar
最初にステラという通貨はどのような通貨なのかという点から解説していきたいと思います。まず基本的な情報をご紹介します。
Stellarllimit

ステラは2014年7月に開発が開始された仮想通貨です。時価総額3位の仮想通貨XRPと同様に、ビットコインよりも決済スピードを早めるよう設計されています。しかし、ステラのターゲット層はXRPとは異なっています。XRPは法人利用を主な目的に開発されました。一方のステラは個人が利用することを主目的に開発されたものです。

ステラの時価総額は1,000億円を超えており、市場でもトップ10前後の取引量を誇る等、メジャーな仮想通貨としてポジションを確立しています。

ステラの開発を牽引するのは、マウントゴックス社の創業者であるジェド・マケーレブ氏です。マケーレブ氏はマルク・カルプレス氏にマウントゴックス社を売却しましたが、その後、マウントゴックスはハッキング被害により破綻しました。これは、仮想通貨の歴史に残る出来事なので、別途調べて見ると面白いでしょう。ちなみにジェド・マケーレブ氏は下記のような人物です。
XLM Stellar1

ステラにはStellar Development Foundation(SDF:ステラ・ディベロップメント・ファンデーション)という非営利の運営団体が存在します。

ステラの通貨単位は「ルーメン(XLM)」であり、XLMのことをステラではなく「ルーメン」と呼ぶ投資家もいるようです。それでは次に、ステラの詳しい特徴について説明していきたいと思います。

ステラの特徴は?XRPとの違いは?

SCP(ステラコンセンサスプロトコル)

ステラはXRPと同様にIOUをネットワーク内で相互にやりとりを行い送金や決済スピードを効率化しています。

IOUは「借用証明書」を指します。ゲートウェイとなる団体がIOUを発行することで合意形成を行い、決済スピードを早めています。このようにみると、非中央集権であるビットコインに対して、XRPやステラはある種の中央集権的要素を備えていると言えるでしょう。

ステラの合意形成方法はSCP(ステラコンセンサスプロトコル)と呼ばれています。XRPの場合、承認にはバリデーターの80%以上の合意が必要とされます。ステラの場合は3分の2のノードが同意した取引データから同期されていく仕組みとなっています。このように行うことでスケーラビリティの問題を回避しています。これはビットコインに比べて、ステラは利用者が急増しても取引遅延が起こりにくいことを意味します。

XLMの発行量

ステラ・ルーメンは当初1,000億XLMが発行されて、毎年1%ずつ供給量を増やす仕組みを採用していました。2014年から5年間は当初計画通り新規発行されていましたが、2019年10月にコミュニティ投票でこの供給量を増やす仕組みを廃止することを決定しました。これまでは、年に1%ずつ増加することで供給量が増え、価格の大幅な急騰を抑えるよう作用していました。

さらに、同11月には発行量の約50%(550億XLM)をトークンバーン(消滅させること)を実行しました。こうした供給量の減少が今後価格にどのように影響するのか注目されるところです。結果的に、ステラの発行量は2020年7月時点に50,001,803,812 XLMとなっており、これ以上は作成されません。そのうち、公開市場で20,463,557,487 XLMが循環供給しています。

ステラ・ルーメンの別の重要なポイントは、開発者サイドの保有割合です。Stellar Development Foundationは300億XLMを保持しており、今後数年間で公開市場に流入します。SDFは、保有しているXLMを開発・エコシステム拡大・マーケティングなどに使用する方針を公表しています。

バーンによって市場に供給されるXLMは半減しましたが、開発は発行量の半分以上のトークンを保持し続けています。これをどう考えるかは、ステラ・ブロックチェーンの今後のユースケース次第であり、開発チームの資金管理の透明性に依存する部分でもあります。

ステラとXRPの価格の相関が強い

次にステラとXRPの価格の値動きの相関が強いということがポイントとして挙げられます。

以下のチャートをご覧ください。青色のラインがステラ対米ドルでオレンジ色のラインがXRP対米ドルの値動きになります。このように併せてみるととても似ていることがよくわかるでしょう。
XLM Stellar2
これはやはり両者の通貨の特徴が同じということを意味しており投資家もステラとリップルは同じ特徴を持っているから同じ動きをしやすいということを意識して取引していることがわかります。このことからステラの投資家はXRPのニュースも併せてみておくことが必要ということになります。

大手企業と提携が進行中

XLM Stellar4
 
ステラの基盤としているブロックチェーンをIBMが採用したことで2019年3月に話題になりました。ステラのブロックチェーンが利用されるということは、このチェーンを基軸として様々なことがスタートするため、ステラにとってもかなり重要な提携となっています。

XRPも含めてやはり決済系の通貨というのは、企業に利用してもらわないと埋もれてしまうことになります。このように大手企業がバックとなってプロジェクトを進めていくということで、ある程度利用される目処が立つため、価格の底堅さに影響すると言えるでしょう。
 

ステラの購入方法は?

Coincheck
最後にステラの購入方法について解説します。ステラは現在日本では先日コインチェックをはじめとする複数の取引所で購入が可能です。しかしここで注意すべきはコインチェックの販売所は売りと買いの間にスプレッドというものがあることです。

この売りと買いのレート差が販売所の利益として計上されるようになっており、この手数料部分であるスプレッドは、買いと売り共に約3%ずつかかるようになっています。顧客からするとレートが約6%以上上昇しないと損益がプラスにならないような計算になります。

そのため頻繁に売買するには向かないと言えるでしょう。長期投資で行うなら検討の余地はあるかもしれませんが、慣れている投資家はあまり利用しない可能性が高いです。

仮想通貨に慣れている投資家はBinanceをはじめとする海外取引所を利用することも多いようですが、海外取引所の存在は現在の日本ではセンシティブなため利用は控える方が懸命でしょう。

海外取引所ではは日本円の入金ができないため、仮想通貨の入金を行い、仮想通貨を反対通貨として取引を行うことが一般的です。そのためBTCやETHを国内取引所から送金して、XLM対BTCやXLM対ETHで取引することになりますので、初心者の場合は最悪仮想通貨を失う恐れもあることも覚えておきましょう。
 
ステラは中長期的にみるととても潜在力が高い通貨として認識されており、今後どのように発展していくか注目されています。このステラの魅力に惹かれる投資家もいるため、気になる方はホワイトペーパー等を読みながら理解を深めて中長期的に投資するのはいかがでしょうか?

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12