今回は、Rakuten NFTで開設した「ご当地NFT」について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- NFTの特徴、魅力とは
- 楽天ウォレットとは
- Rakuten NFTとは?
3-1. Rakuten NFTのマーケットプレイスの仕組み
3-2. 暗号資産による決済対応を今秋開始へ - 「ご当地NFT」とは?
- まとめ
地方創生や観光復興などにブロックチェーンを活用する事例が、近年増えています。政府がWeb3の目玉として取り上げるNFT(非代替性トークン)の分野でも地方創生に繋げる取り組みが各地で開発されています。
NFTマーケットプレイスを提供している Rakuten NFTでは、地方自治体がNFTを販売できる「ご当地NFT」をリリースしました。ここでは、ご当地NFTの特徴について詳しく解説します。
①NFTの特徴、魅力とは
NFTはブロックチェーンによって発行されるトークン(暗号資産)の一種であり、コレクション用のトレーディングカード、仮想空間上の不動産、デジタルスニーカーなど、有形無形を問わず様々なデジタル上のアイテムやコンテンツの所有権を表します。「ノンファンジブル(非代替的)」という名の通り、トークンにはそれぞれ識別子がつけられているため、それぞれが唯一無二の証明付きのものとして発行されます。
近年、アーティストがNFT作品を作成するケースも増えてきています。ブロックチェーン技術により、アーティストはオークションハウスやギャラリーを介さずに、世界中のバイヤーにデジタルアート作品を直接販売できるようになりました。これにより、アーティストは販売で得た利益の大部分を手元に残すことができるようになります。さらに、デジタルアート作品にロイヤリティを設定することで、作品の所有者が変わるたびに、販売利益の一部が制作者に支払われるように設定することも可能です。
②楽天ウォレットとは
楽天ウォレットは、楽天グループの連結子会社である楽天ウォレット株式会社が運営する仮想通貨取引所です。楽天グループの金融サービス企業との連携を強みとしており、仮想通貨を電子マネーにチャージできる機能や、楽天スーパーポイントを仮想通貨に交換できるなど、楽天経済圏のユーザーには特に使いやすくなっています。
楽天ウォレットの取引サービスはスマートフォンアプリでの利用に特化しています。販売所(現物取引)に対応するスマホアプリ「楽天ウォレット」と、レバレッジ取引を提供する専用アプリ「RakutenWallet Pro」の2種類があります。後者はトレーダー向けにより多くの注文タイプを搭載しています。
「楽天ウォレット」アプリでは、貯まった楽天スーパーポイントを3種類の仮想通貨(ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ)に交換することが可能です。楽天市場や楽天カードで獲得した楽天スーパーポイントは、最低100ポイント(1ポイント=1円相当)から交換できます。
③Rakuten NFTとは?
Rakuten NFTとは、NFT市場の民主化を目指して開発されたサービスです。一次販売プラットフォームと二次流通の機能を併せ持っています。
Rakuten NFTは、楽天IDがあれば誰でも利用が可能で、日本円決済やクレジットカード決済、そして楽天ポイントでの決済も可能となっています。知的財産権(IP)を所有するアーティストは、Rakuten NFTで独自のNFTを発行し、販売サイトを開設できます。また、プロスポーツ・ゲーム・音楽・アニメ・マンガ・アイドルなどのコンテンツを題材としたNFTの個人間(P2P)売買が可能です。
3-1.Rakuten NFTのマーケットプレイスの仕組み
出品者となる「IPホルダー」が販売プラットフォームを設置し、スポーツ、アイドル、漫画・アニメ、ゲーム、アートなどのコンテンツをNFTとして出品できます。ファンやコレクターは、出品されたNFTを楽天IDで購入できます。購入したNFTは、Rakuten NFTのマイページにコレクションすることができます。さらに、ここで購入したNFTをC2C(Consumer to Consumer/個人間)で取り引きできる機能もあり、転売も可能です。
またRakuten NFTでは、仮想通貨ではなく法定通貨を利用し、決済時には「楽天ポイント」が貯まります。つまり、Rakuten NFTは、NFT初心者のコンテンツファンやコレクターにとっても分かりやすく使えるサービスだと言えます。
3-2.暗号資産による決済対応を今秋開始へ
2022年秋より、従来の決済方法に加え、IPホルダーがコンテンツを発行および販売する1次販売において、暗号資産ウォレット「MetaMask」を通じて、イーサリアム(ETH)による決済を導入予定です。これにより、楽天IDを使用した決済および「楽天ポイント」での決済とあわせ、複数の決済方法から選択することが可能になります。
今後は、個人間で売買する2次流通以降においても、イーサリアム(ETH)による決済や売上代金の受領を検討するほか、その他の暗号資産(仮想通貨)での決済方法についても導入を検討していくと言います。また、2023年以降、国内外のIPホルダーが保有するNFTのグローバルマーケットへの展開も検討していくとしています。
④「ご当地NFT」とは?
楽天グループ株式会社は、運営するNFTマーケットプレイス「Rakuten NFT」に、地方自治体などがNFTを販売する「ご当地NFT」セクションを新設しました。「ご当地NFT」は、都道府県や市区町村などの自治体および関係団体が、地元出身アーティストの作品やご当地キャラクターの動画・画像など、地域にゆかりのあるNFTコンテンツを販売する場となる予定です。
ご当地NFTには、動画や画像をNFTにした「モーメント」をまとめた商品「パック」を購入できる「エリア一覧」、購入した自分のコレクションをアルバムで見ることができる、シリーズのコンプリート状況が確認できる「マイコレクション」、モーメントを出品したり、パックで売り切れた作品を探して購入ができる「個人間マーケットプレイス」の3つのサービスがあります。
第一弾コンテンツは、京都市の広報キャラクター「京乃つかさ」のNFTとなっています。「京乃つかさ」は、京都市の広報紙「市民しんぶん」のキャラクターで、2021年3月に登場しました。同紙PRのほか市の各事業全般で活用されており、ふるさと納税のポスターなどにも採用されています。今回のアートは「京まふ2022」のメインビジュアルにもなっています。
こちらのNFTアートは、京都精華大学を卒業したクリエイターの南岡明花音氏が「新しい京都・新しい京まふ」を表現して描かれています。価格は11,111円で枚数が限定111枚で、「京まふ」が今回11回目を迎えることにちなんで設定されたと京都市は説明しています。決済には日本円のほか、クレジットカードや楽天ポイントが使用できます。またこちらのご当地 NFTはすでに個人間マーケットプレイスでも販売されています。
⑤まとめ
「ご当地NFT」は今後拡張されていく見通しで、楽天は、出品自治体数や出品数は、順次増加していくとしています。将来的には、自治体が販売するNFTコンテンツを「楽天ふるさと納税」の返礼品として活用できる仕組みも導入する計画もあるそうです。ご当地NFTが取引されることでインセンティブの一部が各地方に寄付される利点もあり、なかなか旅行に行けない方でも地方を応援することができます。
また Rakuten NFTは楽天ウォレットのスマホアプリからアクセスすることができ、日本円決済やクレジットカードや楽天ポイントでの決済も可能なので、気軽にNFTを購入してみたい方は利用してみてもいいでしょう。
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中島 翔
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