2月25日にローンチ予定の「Rakuten NFT」とは?特徴や利用方法について解説

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今回は、Rakuten NFTについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 楽天グループとは?
    1-1.楽天グループとは?
    1-2.楽天グループの事業内容
    1-3.楽天ポイント経済圏
  2. 楽天グループと仮想通貨
  3. Rakuten NFTとは
    3-1.Rakuten NFTの概要
    3-2.Rakuten NFTのマーケットプレイスの仕組み
    3-3.Rakuten NFTの特徴
  4. まとめ

2022年2月25日に楽天グループ株式会社によるNFTサービス「Rakuten NFT」がいよいよローンチされます。1億人以上の会員数を誇り、巨大な経済圏を持つ楽天グループの参入は、NFT業界に大きな変革をもたらすことが期待されています。そこで今回は、間もなくローンチされる「Rakuten NFT」に関して、その概要や特徴について解説します。

①楽天グループとは?

まずは、楽天グループとはどのような会社か、その基本的な事項を解説します。

1-1. 楽天グループとは?

楽天グループは1997年5月1日に開設されたオンラインショッピングモール「楽天市場」を皮切りにインターネットサービスで事業を拡大し、2000年にはジャスダック上場、インターネットサービスのみならずフィンテックやモバイルなどの分野にも進出しています。

2004年のプロ野球再編問題をきっかけに仙台を拠点とする東北楽天ゴールデンイーグルスを結成し、NBAゴールデンステートウォリアーズやリーガエスパニョーラのFCバルセロナのスポンサーを務めるなどスポーツ領域への投資にも熱心な企業として知られています。

1-2. 楽天グループの事業内容

楽天グループは社内カンパニー制度を用いて、事業を三つのセグメントに区分しています。それぞれのセグメントと主な会社は下記の通りです。

  1. インターネットサービスセグメント
    ・コマースカンパニー
    ・アド&マーケティングカンパニー
    ・インベストメント&インキュベーションカンパニー
  2. フィンテックセグメント
    ・フィンテックグループカンパニー
  3. モバイルセグメント
    ・コミュニケーションズ and エナジーカンパニー

他にも持分法適用関連会社や海外の子会社などを持つ多国籍に渡るグループ展開をしています。

1-3. 楽天ポイント経済圏

楽天グループの経済圏は多岐に渡るグループ会社に支えられており、日常消費領域から金融、モバイル通信とLTVの大きな領域を抑えています。特に、2,200万人が所有する楽天クレジットカードから発行される楽天スーパーポイントは、お得なポイント還元と割引システムにより、顧客の囲い込みに貢献しています。例えば、楽天ポイントを楽天証券で使用できるようになったことがきっかけで、楽天証券の口座数は大幅に伸びました。

②楽天グループと仮想通貨

次に楽天グループと仮想通貨の関係性について解説します。

楽天は2016年にブロックチェーン技術に特化した研究開発組織「楽天ブロックチェーンラボ」を英国のベルファストに開設し、東京も含めて20名以上のチームを構成しました。当チームは、楽天社内およびパートナー企業とブロックチェーン技術の活用事例を創出するべく活動しています。

2019年からは「楽天ウォレット」で仮想通貨(暗号資産)の取引サービスを提供しています。楽天ウォレットは楽天グループが開発した仮想通貨ウォレットであり、同時に金融庁に登録された第1種暗号資産交換業者でもあります。

仮想通貨取引所・販売所の楽天ウォレット
楽天ウォレットはモバイルアプリの提供に特化しており、現物取引とレバレッジ取引に対応しています。楽天銀行との提携により法定通貨の入金もスムーズにできるほか、楽天ポイントを仮想通貨に交換できるなど、楽天グループとのシナジー効果が活かされています。

③Rakuten NFTとは

次に、今回ローンチされる「Rakuten NFT」についての概要や、マーケットプレイスの仕組みを解説します。

3-1. Rakuten NFTの概要

RakutenNFT
Rakuten NFTは、スポーツや、音楽・アニメをはじめとするエンターテインメントなど様々な分野におけるNFTを、ユーザーが購入したり、個人間で売買したりすることができるマーケットプレイスです。また、IPホルダーにとっては、ワンストップでNFTの発行、および販売サイトの構築が可能な独自のプラットフォームとなります。Rakuten NFTが利用するブロックチェーンは、楽天が独自で開発するプライベート・ブロックチェーンであると発表されています。

3-2. Rakuten NFTのマーケットプレイスの仕組み

出品者となる「IPホルダー」が販売プラットフォームを形成し、スポーツ、アイドル、漫画・アニメ、ゲーム、アートなどのプロダクトをNFTとして出品します。

ファンやコレクターは、Rakuten NFTに出品されたNFTプロダクトを楽天IDで購入できます。購入したNFTは、Rakuten NFTのマイページにコレクションすることができます。さらに、ここで購入したNFTをC2C(Consumer to Consumer/個人間)で取り引きできる機能もあり、二次売買、三次売買も行われていく予定です。

前述の通り、Rakuten NFTではこれらの仕組みを楽天のプライベート・ブロックチェーンを利用して構築し、楽天IDをもつユーザーだけが利用できる形を採るため、限定された範囲のネットワークの中で、NFTの売買が行われることになります。

3-3. Rakuten NFTの特徴

①楽天IDを利用したクレジットカード決済が可能

Rakuten NFTでは、仮想通貨ではなく法定通貨を利用し、決済時には「楽天ポイント」が貯まります。つまり、Rakuten NFTは、NFT初心者のコンテンツファンやコレクターにとっても分かりやすく使えるサービスだと言えます。

②プライベート・ブロックチェーンを採用

Rakuten NFTはプライベート・ブロックチェーンを採用しており、トランザクションを処理するために膨大な電力消費を必要としないため、環境への負荷が少なくなっています。また、処理速度も速くなり、一般的なWebサービスに近いユーザー体験を提供することができます。

そのほかにも、楽天という管理者が存在する仕組みのため、ユーザーとなるIPホルダーやファンの要望を反映しやすい、より安全で信頼できるセキュリティを提供できるなど、プライベート・ブロックチェーンを使用することで様々なメリットがあります。

③関連サービスの利用特典としてNFTを配布

楽天エコシステムには、70以上の関連サービスが存在しますが、Rakuten NFTはそれらと連動した施策を展開する予定です。具体的には、「楽天チケット」「楽天コレクション」「Rakuten TV」などの利用特典としてNFTを配布すること、スポーツ試合の観戦記念として、NFTを配布することなどを構想しているということです。

④IPホルダーがホワイトレーベルで出店ができる

Rakuten NFTでは、マーケットプレイスに出店するIPホルダーがホワイトレーベルで出店可能です。IPホルダーが自らのブランド力を最大化できるよう、コンテンツに合わせてUI/UXをカスタマイズした独自のサイトでプロダクトを販売することができます。

④まとめ

Rakuten NFTはローンチを間近に控えており、NFT第1弾は「ULTRAMAN」のCGアセットであると発表されました。Rakuten NFTは、法定通貨での購入や、ポイントの付与、さらにはIPホルダーのホワイトレーベルでの出店およびC2Cの機能の搭載など、他のマーケットプレイスとは一線を画したサービスを提供することになります。仮想通貨の既存ユーザーだけでなく、これまでNFT取引に参加したことのないユーザーが利用する可能性もあるので、今後のRakuten NFTの動向に注目していきたいと思います。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12