サステナブルリゾート実現へ、白馬村の自然美をNFTで記録「Non-Fungible HAKUBA」プロジェクト

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株式会社Final Aimは、株式会社新東通信 / CIRCULAR DESIGN STUDIO.と、一般社団法人白馬村観光局と共同で、WEB3.0技術を活用した実証実験「Non-Fungible HAKUBA(NFH)」を白馬村で実施しました。

Final AimはWEB3.0プラットフォームである「Final Chain」を提供し、冬の白馬の景色を47点の写真と共にNFT化しました。またNFT化された各写真情報をもとに生成された3Dマップデータから3Dプリントオブジェも制作し、NFT情報を刻印ています。ここでは白馬村の「サステナブルリゾート実現」に向けた実証実験「Non-Fungible HAKUBA」の特徴から、証明書としても活用できるNFTについて解説します。

目次

  1. 「Non-Fungible HAKUBA」とは
    1-1. 実証実験「Non-Fungible HAKUBA」
    1-2. ブロックチェーンを使って行動の可視化とインセンティブ
    1-3. NFT情報が刻印された3Dプリントオブジェ
    1-4. 今後の活用方法に関して
  2. Final Aimについて
  3. CIRCULAR DESIGN STUDIO.
  4. NFTとは
    4-1. NFTの概要
    4-2. NFTの特徴
  5. まとめ

①「Non-Fungible HAKUBA」とは

長野県白馬村でNFTを活用した実証実験「Non-Fungible HAKUBA」は、気候危機の影響で深刻な雪不足に直面してきた白馬村の美しい自然を改ざん不可能な記録として残すという意味を込め、今後の白馬村での有効な活用方法を検討するためのプロジェクトです。

1-1.実証実験「Non-Fungible HAKUBA」

今回の実証実験のテーマは、今シーズンの冬の白馬村の写真を募集し、その写真に紐づく撮影情報(時刻・位置など)をブロックチェーンに記録し特設サイトで公開されました。そして写真投稿者へは証明書としてNFT(Non-fungible Token)を発行する取り組みとなります。写真の募集期間は既に2022年に行われ、写真は特設サイトhttps://nf-hakuba.comにて公開されています。

  • 実証実験名:「Non-Fungible HAKUBA」
  • 写真投稿募集期間:2022年12月〜23年2月末
  • 投稿写真数:47点

写真投稿者へはプロジェクト参加の証明書としてNFT(Non-fungible Token)の発行が行われました。長野県北部の北アルプス山麓に位置する雄大な山々に囲まれた地“白馬村”は、気候危機の影響で深刻な雪不足に直面しています。この白馬村の美しい自然を改ざん不可能(Non-fungible)な記録として残すという意味が込められたプロジェクトです。

1-2.ブロックチェーンを使って行動の可視化とインセンティブ

本プロジェクトは技術パートナーである株式会社Final Aimが提供するブロックチェーンプラットフォーム「Final Chain」を使用します。期間限定での技術検証も目的としており、テストネット環境下にて行われるそうです。また今回の取り組みを通じた知見をもとに、今後の白馬村における本技術の活用を検討すべくファーストステップとして位置付けられています。

将来的には、白馬村に毎年訪れす観光客やコアなファンを中心に、環境負荷の少ない宿泊施設や移動手段の利用、サステナビリティについて学ぶ自然ツアーなど、サステナブルに向けた行動を可視化し、その貢献度に応じて、それらに応じたインセンティブを提供することで、好循環を目指すとしています。また観光業を中心とした白馬村の環境負荷低減に繋げることも構想しているそうです。

ブロックチェーンプラットフォーム「Final Chain」では、使用基盤はイーサリアム(Ethereum)のテストネットである「Goerli(ゴエリ)」が使用されます。「ゴエリ」とFinal AimオリジナルのコアAPIをもとに技術連携させるとのことです。

1-3.NFT情報が刻印された3Dプリントオブジェ


NFT化された各写真情報をもとに生成された3Dマップデータから、3Dプリントオブジェが制作されました。表面は写真撮影された位置情報をもとに影場所を中心とした白馬村の地形を再現し、裏面には投稿画像のNFT情報が刻印されています。ブロックチェーン上のみならず物理的にも唯一無二な形で残すことに成功しました。

1-4.今後の活用方法に関して

白馬村観光局と新東通信では、白馬村の目指す「サステナブルなマウンテンリゾート実現」に向けて、サーキュラーエコノミーをテーマとしたカンファレンスである「GREEN WORK HAKUBA」を中心に、村内・村外の事業者を巻き込みながら様々な取り組みを行って参りました。

本プロジェクトは「GREEN WORK HAKUBA」の一環として、地域の活性化の手段として着目されているWEB3.0技術を活用し、今後の白馬村での有効な活用方法を検討するための実証実験として取り組みました。2023年9月6日から8日の3日間にわたって開催予定のGREEN WORK HAKUBA vol.5において、参加者に向けたデジタル参加証としてのNFT活用も検討しています。

②Final Aimについて

Final Aimは、デザインとデジタル製造業領域を中心にWeb3.0事業をグローバルに展開し、2021年11月には自社のブロックチェーンプラットフォーム「Final Chain」のベータ版を発表しました。また、グローバル展開、資金調達環境、ブロックチェーンやスマートコントラクトなどWeb3.0技術の強化や活用にくわえて、法律や税務など総合的な観点も踏まえ、2022年4月には米国に法人を設立しております。そして、同年9月には、世界的なスタートアップアクセラレーター「Berkeley SkyDeck」にも採択されました。

Final Aimの基本概要

  • 会社名:株式会社Final Aim(Final Aim, Inc.)
  • 所在地:⽶国・デラウェア州、⽇本・東京都
  • 創業者:Chief Executive Officer 朝倉雅文 / Chief Design Officer 横井康秀
  • 事業内容:デザインとデジタル製造業領域を中心としたWeb3.0事業

③CIRCULAR DESIGN STUDIO.

CIRCULAR DESIGN STUDIO.は広告会社新東通信の社内プロジェクトチームです。「サーキュラーエコノミーで世界をあかるく、たのしく変える。」をテーマに、地域と企業を繋げて社会課題の解決に取り組んでいます。白馬村で過去4回に渡り開催してきた「GREEN WORK HAKUBA」では、プロジェクトの立ち上げから全体のプロデュース、クリエイティブワークを担当しています。

また、新東通信では、Web3.0技術を活用した日本全国を対象とする社会実装を見据え、2023年1月13日に発足した株式会社新東通信・共同ピーアール株式会社・株式会社VAZの3社で構成されたWeb3.0特化型エージェントユニット「Wonder.3(ワンダー・スリー)」も発足しています。

CIRCULAR DESIGN STUDIO.の基本概要

  • 会社名:株式会社新東通信 / CIRCULAR DESIGN STUDIO.
  • 事業内容 :サーキュラーエコノミーを起点にした地域活性・新規事業支援

④NFTとは

4-1.NFTの概要

NFTは、「Non-Fungible Token」の頭文字から作られた言葉で、「代替不可能なトークン」を意味します。

NFTはブロックチェーン技術を活用し、これまでコピー・偽造が容易だったデジタルデータに独自の価値を付け、新たな資産として取引できるようにしました。NFT技術により生み出されたデジタル作品は、その著作権や所有権がブロックチェーン上に明確に記録され、取引履歴を全て閲覧できる透明性の高い環境で取引が行われます。さらに、クリエイターは作品の所有権を保持し、オンラインでの販売からロイヤリティを得ることも可能です。このような利点は、クリエイターの創作活動を刺激すると言えるでしょう。

NFTはその特性から、多くの分野で活用が進められています。スポーツチームやアーティスト、有名人などがファンとつながる手段として、広く用いられています。

4-2.NFTの特徴

①唯一無二性、一点モノであること

NFTは、その名前「代替不可能なトークン」が示す通り、他のものと置き換えができない、ユニークな存在であるという特性を持っています。

仮想通貨もNFTと同じくブロックチェーンを基盤としたデジタルデータですが、例えば「ビットコイン(BTC)」はどのビットコインも同一の価値を持つため、同じ種類の仮想通貨であれば交換可能です。しかし、NFTの場合は見た目が全く同じデジタルアートであっても、ブロックチェーン上に記録されている情報によって各作品ごとに価値が決まります。そのため、各NFTはそれぞれが一点物の存在として扱われます。

②データ改ざんの困難さ

NFTはブロックチェーンを基盤とした技術で、全ての情報がブロックチェーン上に記録されます。ブロックチェーンは情報を記録するためのデータベース技術の一つで、「ブロック」と呼ばれる単位でデータを管理し、「鎖(チェーン)」のようにつなげてデータ管理を行います。各ブロックには、直前のブロックの内容を示す「ハッシュ値」というデータが記録されています。もしデータを改ざんしようとすると、そのハッシュ値も変わるため、それ以降の全てのブロックのハッシュ値を変更しなければなりません。しかし、これは現実的には非常に難しく、したがってブロックチェーンで管理されているデータの改ざんは極めて困難とされています。

NFTもこのブロックチェーンを基盤としているため、高いセキュリティ性を確保し、安全な環境での保管を可能にしています。このような特性は、NFTがデジタルアートや他の種類のデジタルアセットの信頼性を保証するのに重要な役割を果たしています。

③プログラム可能性を持つ

NFTは「プログラム可能性(プログラマビリティ)」を持っています。これは、データにさまざまな情報や付加機能を組み込むことが可能という特性を示します。そのため、クリエイターはNFTに二次流通の際の手数料や取引数量の制限などをあらかじめ設定することができます。このプログラム可能性を活用することで、クリエイターは自身の作品が他者に売買されるたびに、継続的にロイヤリティを受け取る仕組みを確立することが可能となっています。

⑤まとめ

「美しい自然を未来へつなぐ」――その想いから生まれた「Non-Fungible HAKUBA」プロジェクトが、白馬村のサステナブルリゾート実現に向けた一歩となりました。このプロジェクトでは、白馬の美しい風景をカメラに収め、特設サイトで共有することで、多くの人々に自然環境の大切さを再認識させました。さらに、参加者の皆さんには投稿した写真の証明書としてNFTが発行され、この一点限りの美しい記録が物理的な形でも残るよう、3Dプリントオブジェクトも制作しました。

自然環境は、NFTのように不変的な存在ではありません。それゆえに、その価値は計り知れません。気候変動の影響によって失われゆく可能性のある、その一瞬一瞬の美しさを記録することは、私たちが未来へ贈ることができる大切なメッセージです。Web3.0の力を借りて、より多くの人々が自然環境への関心を高め、保全に向けた行動を促せれば、それが本プロジェクトの究極の目標と言えるでしょう。

詳しくは特設サイトをご覧いただくか、プロジェクトに参加されてみてください。自然の美しさと共に、新たな挑戦の一環を体験することができるはずです。

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立花 佑

自身も仮想通貨を保有しているWebライターです。HEDGE GUIDEでは、仮想通貨やブロックチェーン関連の記事を担当。私自身も仮想通貨について勉強しながら記事を書いています。正しい情報を分かりやすく読者の皆様に伝えることを心がけています。