今回は、失敗しない仮想通貨の選び方について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- 失敗しない購入先の選び方
1-1. 日本の仮想通貨取引所を選ぶ
1-2. 取引所形式でお得に購入 - 失敗しない仮想通貨の選び方
2-1. 時価総額の高いものを選択する
2-2. 長期投資の場合は将来性を見極める
2-3. 仮想通貨取引の注意点 - 初心者におすすめの仮想通貨
3-1. 時価総額最大のビットコイン
3-2. ユースケースの多いイーサリアム - まとめ
2021年7月現在、日本の仮想通貨(暗号資産)取引所では合計で30種類の銘柄が取引きされており、グローバル市場を見れば少なくとも5,500種類以上の仮想通貨が取引されています。それぞれのプロジェクトの情報は限られており、この中から有望な銘柄を選び出すのは困難に感じられます。そこで今回は、投資初心者が失敗しない仮想通貨と取引所の選び方について解説します。
①失敗しない購入先の選び方
まずは投資初心者が失敗しない仮想通貨取引所の選び方について解説します。
1-1. 日本の仮想通貨取引所を選ぶ
海外の仮想通貨取引所は上場している仮想通貨が豊富で、サービスも充実しており、ハイレバレッジをかけて取引ができるなど魅力がたくさんあります。しかし、まずは日本の仮想通貨取引所を選択した方が賢明です。
なぜなら、海外の仮想通貨取引所で不慣れな仮想通貨取引を行うと誤操作が生じやすく、日本語サポートもないためトラブルが解決できないなど、多くのリスクを含むからです。
- 海外の仮想通貨取引所の潜在的なリスク
- 金融庁の認可を得ていないため日本居住者の口座開設を認めていない取引所が多い。
- 日本語のページが充実した取引業者がない。
- カスタマーサポートの質が日本に比べて圧倒的に少ない。
- 取り扱っている仮想通貨の信頼性が十分でない場合がある。
- 税制面で不利となる。
日本の仮想通貨取引所なら、カスタマーサポートが安定しており、慣れない操作に関して親切に教えてくれます。金融庁の「仮想通貨交換業」の認可を受けている仮想通貨取引所であれば、仮に会社が倒産することになっても顧客資産は守られます。極端な話、海外の取引所はいつ閉鎖するか分からないですし、そうなってもユーザーが頼れる規制機関はないのです。
1-2. 取引所形式でお得に購入
日本の仮想通貨取引所を選択した場合、一つの仮想通貨取引所でも取引形式が2種類あります―「販売所形式」と「取引所形式」です。
販売所形式は、仮想通貨交換業者が取引相手となってユーザと売買する販売方式です。一方で、取引所形式はユーザ同士が売買するもので、交換業者が管理する「板」でユーザーの売買注文がマッチングします。
取引所形式の方が購入コストが安くなるため、少しでもお得に購入したい場合は取引所での購入をお勧めします。
②仮想通貨の選び方
次に、仮想通貨をどのような観点で選べば良いのかという点について解説します。
2-1. 時価総額の高いものを選択する
仮想通貨に限らず投資において時価総額の大きいものほど流動性が高く、急激な価格変動が起こりづらくなります。そのため、短期トレードを行う際も、テクニカル分析のインジケーターが機能しやすくなります。
仮想通貨取引の一番の特徴は、流動性の低さに起因するボラティリティの高さにあります。流動性とは市場に参加する買い手と売り手の数量だと考えてください。
例えば、600万円で100 BTCの売り注文が板にあれば、10BTC × 600万円の買い注文を出しても注文の約定時に価格は変化しません。しかし、流動性の低い市場環境で売り板が減少していれば、600万円から700万円までの売り注文を全て合計してようやく10BTCに到達している場合があります。この時に10BTCの成行注文を出せば価格はどんどん上がっていき、最終的には700万円に近づきます。
つまり、流動性の低い市場だと、比較的小さな注文でも大きく価格が動くことになります。FXでは1日に1%以上の変動があるのは年に数回ですが、仮想通貨は前日比で2桁パーセント変動することもあります。FXに置き換えると昨日まで1ドル100円だったものが次の日には140円になっていたり60円になることと同じで、その変動の激しさがいかに凄まじいものかご理解いただけると思います。
そのため、仮想通貨に投資をする際は必ず時価総額を確認する事が大切です。
2-2. 長期投資の場合は将来性を見極める
長期投資の場合は、その仮想通貨の将来性を見極める必要があります。その仮想通貨の需要がどこまで高まるか、利用価値が存続するのか?という点を検証する必要があります。
ビットコインをはじめとする仮想通貨には「ホワイトペーパー」と呼ばれるプロジェクト計画書のようなものがあります。プロジェクトの発足時に書かれているため変更はあるとしても、まずはどのような意図で考案された仮想通貨なのか理解するために、ホワイトペーパーを熟読しましょう。
プロジェクトチームや運営コミュニティがある仮想通貨の場合、その団体のホームページなどに、「ロードマップ」と呼ばれる今後の計画が掲載されています。
そして、投資対象の仮想通貨に関するキーワードでインターネットでニュース検索を行い、時系列で現在までのニュースに目を通しましょう。さらには、競合となる仮想通貨との比較検討までできればより良いです。少なくとも投資対象の特徴や今後の計画を理解して、その将来性に投資をすることが基本となります。
2-3. 仮想通貨取引の注意点
上記を踏まえ、仮想通貨に投資する際の注意点をまとめます。
- 保有している仮想通貨が無価値となるリスクは株式やFXよりも圧倒的に高い
- ボラティリティが高いため、株式取引やFX取引と同じ感覚でトレードしない
- 有識者の話を鵜呑みにした取引を避け、自己責任のもと自ら調査をする
- 保管方法が独特であるため、後で仮想通貨が取り出せなくならないように、しっかりと理解して操作する
これらのポイントにも注意しながら、有意な投資生活を送りましょう。
③初心者におすすめの仮想通貨
最後に仮想通貨初心者の方にお勧めできる通貨とその理由をご紹介します。
3-1. 時価総額最大のビットコイン
仮想通貨の代名詞ともいえるビットコインですが、ビットコインはデジタルゴールドとも呼ばれています。その理由は、ビットコインの発行数量に上限があり、その希少性の高さから反インフレの特性があるとして、近年再注目されています。
また、仮想通貨取引の初心者の方にビットコインをお勧めできる一番の理由は時価総額の高さです。短期トレードで利益を出したい場合は、流動性が高く、価格が比較的安定しており、テクニカル分析が有効に機能する仮想通貨を選びたいところです。
ビットコインに関する情報は日本語でも探しやすく、ニュースも多いため、リサーチをしやすい点もおすすめしやすいポイントです。
3-2. ユースケースの多いイーサリアム
ビットコインについで時価総額の大きな仮想通貨がイーサリアムです。イーサリアムにはビットコインにはないスマートコントラクト機能が実装されています。イーサリアム・ブロックチェーンを利用して様々なアプリケーションが動いているため、ビットコインよりも利用事例(ユースケース)が増えています。
いま話題のNFT市場やDeFiなど、多くのアプリケーションがイーサリアムベースで動作しています。イーサリアムはブロックチェーン技術のユースケースの発信源となっており、未来の技術基盤として将来性の高さが再評価されています。
④まとめ
仮想通貨は短期的な価格の高騰・急落ばかり取りざたされることも多いものの、内容を見ると仮想通貨の世界には様々な可能性を秘めたプロジェクトが存在し、知れば知るほど魅力的な世界です。
大きな値幅をうまくとらえた短期トレードを狙うことも結構ですが、興味のあるプロジェクトのホワイトペーパーやロードマップなどを読み込み、長期投資をすることも有意義です。株と同様にレンディングや自動積立サービスもあるので、長期投資のバリエーションも増やすこともおすすめです。
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中島 翔
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