仮想通貨の自動損益計算サービス「Cryptact」とは?【確定申告の備え】

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今回は、仮想通貨の自動損益計算サービス「Cryptact」について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. Cryptactとは
    1-1.Cryptactの概要
    1-2.運営元である「株式会社pafin」
  2. Cryptactの特徴
    2-1.サポート範囲が広い
    2-2.正確な時価参照をベースとした計算
    2-3.大規模または高頻度の取引でも計算が可能
  3. Cryptactの使い方
    3-1.ユーザー登録
    3-2.全ての取引履歴の準備・アップロード
    3-3.未分類取引を解消する
    3-4.コイン残高を確認し、計算完了
  4. まとめ

22年に入り、暗号資産(仮想通貨)取引がますます頻繁に行われるようになってきました。一方で、ユーザーが最も懸念している点の一つに税金があります。仮想通貨は比較的新しい金融商品である上、株取引等とは勝手が異なるため、その損益計算を個人で行うことは簡単ではありません。そこで、取引所のデータをいくつかアップロードするだけで、正確な損益計算を自動で行ってくれる「Cryptact(クリプタクト)」のようなサービスが役立ちます。

Cryptactは仮想通貨の損益計算に特化したツールで、かなり広範囲の取引所や銘柄をサポートしているため、確定申告に必要な税金計算を誰でも簡単に行うことができます。そこで今回は、仮想通貨の自動損益計算サービス「Cryptact」について、その概要や特徴、詳しい使い方を解説していきます。

①Cryptactとは

1-1.Cryptactの概要

Cryptact
Cryptact(クリプタクト)とは、18年1月に設立された「株式会社クリプタクト(22年6月に社名を株式会社pafinに変更)」によって運営されている、仮想通貨取引によって生じた損益を計算する自動損益計算サービスのことです。仮想通貨はまだまだ新しい金融商品であることもあり、税務の対応が非常に煩雑なことから損益計算が比較的難しくなっています。Cryptactではそんな懸念点を払拭し、個人でも簡単に且つ短い時間で損益計算を実施することを可能にしています。

Cryptactは22年7月4日時点で、世界の67の取引所および11,800銘柄におよぶ仮想通貨をサポートしているほか、国内ユーザー数は第一位を誇る人気のサービスとなっています。

1-2.運営元である「株式会社pafin」

運営元である株式会社pafinは、元々「株式会社クリプタクト」という名称でサービス提供を行なっていました。主なサービスには、仮想通貨の無料損益計算ツールのほか、税理士法人向けサービス、仮想通貨のポートフォリオ管理サービスなど、仮想通貨に関連するさまざまなサービスがあります。

代表取締役を勤めるのは、元ゴールドマン・サックスのアズムデ・アミン氏と斎藤岳氏で、両者とも金融業界に深く精通している人物となっています。

②Cryptactの特徴

2-1.サポート範囲が広い

Cryptactは現時点で世界の67の取引所および11,800銘柄の仮想通貨をサポートしているほか、計算可能な取引種類も豊富です。

サポートしている取引形態は、下記の通りです。

  • 売買(レバレッジ・証拠金取引含)
  • 商品購入
  • 貸付
  • ハードフォーク
  • マイニング
  • エアドロップ
  • ネットワークフィー(仮想通貨送金手数料)

このように、Cryptactでは仮想通貨独特の取引形態も幅広くサポートしているため、ユーザーは自身のニーズに合わせた柔軟な利用が可能です。

2-2.正確な時価参照をベースとした計算

仮想通貨における損益計算を行う際には、取引対象となる通貨の円建(ドル建・ユール建)の時価を正確に把握しておく必要があります。

これに関してCryptactでは、1分おきの平均価格を計算に採用しているため、日次価格で計算するサービスと比べても、その正確性が高いものとなっています。仮想通貨では同じ日に複数回の取引を行うことも一般的ですし、裁定取引を行うこともあるため、日時価格だけでは正確な損益把握はできません。そこでCryptactを用いることで確実な計算が可能となるのです。

2-3.大規模または高頻度の取引でも計算が可能

Cryptactでは年間取引件数50件以下の場合は無料で利用が可能なほか、Cryptactに取り込みたい取引件数によって段階的な料金プランが用意されています。

仮想通貨で定期的に積立投資をするという程度であれば年額8,800円で500件の取引件数に対応する「お試しプラン」でも十分でしょう。最高グレードの「億り人プラン」は年額で220,000円がかかりますが、取引件数5,000,001件以上の処理が可能で、頻繁にトレードを繰り返すという方であってもオーバースペックなプランとなっています。そのため、ご自身の取引スタイルにあった料金プランを選ぶことがおすすめです。

利用料金はビットコイン(BTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)、 イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)などといった仮想通貨での決済も可能となっています。

③Cryptactの使い方

3-1.ユーザー登録

Cryptactを利用するためには、まずウェブブラウザからメールアドレスを入力し、指示に従ってユーザー登録を行います。なお、パソコンを利用することが推奨されており、スマートフォンやタブレットからの動作は保証されていません。

これは、取引所よりダウンロードを行うファイルはパスワードがついているものやzip形式など、スマートフォンやタブレットなどで開けないものが多く、ファイルを破損してしまうリスクがあるためだとしています。

3-2.全ての取引履歴の準備・アップロード

次に、正確な損益計算を行うため、ご自身が仮想通貨を取引(売買)した全ての履歴データの準備が必要となります。

まず、取引所より取引履歴のダウンロードを行い、ファイルをアップロードします。なお、個人間の取引やCryptactがサポートしていない取引所での取引については、「カスタムファイル」で補うことで対応が可能です。

これ以外にも、取引所から発行されるAPIを介して取引履歴を取得できる機能も提供されています。

3-3.未分類取引を解消する

未分類取引とは取引情報の不足を知らせる機能のことを指します。

未分類取引は損益計算から除外されており、仮想通貨の残高や損益結果について実際のものとズレが生じるため、取引履歴一覧において未分類取引が発生していないことを十分に確認する必要があります。

また、取引履歴一覧においては設定されたタイムゾーンの日時に統一して履歴が表示される仕組みとなっていますが、海外取引所によってはファイルに記載されている取引実施日時のタイムゾーンが変動する場合もあるため、こちらも確認が必要です。

3-4.コイン残高を確認し、計算完了

Cryptact2
これまで行った取引履歴を全て反映させ、未分類取引の解消も完了したら、「通貨別」のタブをクリックし、実際の保有数とシステム上の残数が一致しているか確認を行います。

実際の保有数とズレが生じている場合は、取引履歴が漏れている可能性があるため、再度確認を行ってください。確認してもどこで漏れが生じたか分からない場合は、差分の調整用履歴を「カスタム取引」としてアップロードして、数字を一致させます。

これらの手順をすべてクリアした後、対象となっている年度の実現損益の金額が表示されます。

④まとめ

Cryptactは複雑で手間のかかる仮想通貨の損益計算を自動で行ってくれる画期的なツールで、サポートしている取引所や仮想通貨銘柄の豊富さから多くのユーザーを獲得しています。

年間取引件数50件までは無料で利用できるほか、実際の操作もかなりシンプルで分かりやすいため、仮想通貨取引を行っている方は一度利用を検討してみることをおすすめします。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12