Coincheck(コインチェック)に上場した、メタバースゲーム『The Sandbox』の仮想通貨SANDとは?

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今回は、『The Sandbox』の仮想通貨SANDについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. The Sandboxとは
    1-1.SANDとは
    1-2.SANDの将来性
  2. Coincheck NFTとThe Sandboxのプロジェクトとは
    2-1.LANDやESTATEの販売
    2-2.OASIS TOKYO・OASIS KYOTOの構築
    2-3.SANDの取り扱いを発表
  3. まとめ

2021年に爆発的な人気と取引高を記録したNFT(非代替性トークン)は、2022年に入っても高い取引高が維持されています。

NFTの人気は仮想通貨(暗号資産)市場に留まらず、一般的な人々の間で徐々に認知されるようになってきています。特に、旧Facebookが「メタ」に社名変更したことで、メタバース(仮想空間)の注目度が高まる中で、仮想空間内でのNFTのユースケースも重要視されています。例えば、ゲーム内のアイテムやコレクション、アバターに装着する衣服などが、NFT技術により流通市場を形成することが可能になります。

そんなNFT技術に対応するメタバースゲームの中で、一際人気を集めているのが「The Sandbox(サンドボックス)」です。The Sandboxのメタバース空間には、国内外を問わず多くの企業が参入しています。

【関連記事】:GUCCI、Ubisoftによる「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」進出のねらいとは?【メタバース×グッチ・ユービーアイソフト】

5月24日には、国内の仮想通貨取引所「Coincheck」でThe sandboxのネイティブトークン「SAND」の取扱いが開始されました。この記事ではThe Sandboxのプロジェクトや、仮想通貨「SAND」の特徴についてご紹介します。

①The Sandboxとは

The Sandboxとは、イーサリアムブロックチェーン上に構築された仮想空間内でNFTの発行や販売、制作などができるNFTゲームメタバースです。The Sandboxのメタバース内にある仮想土地「LAND」は現実世界の不動産と同じように売買できるのが大きな特徴の一つです。

LANDを保有するユーザーは、そこにNFTのアイテムやゲームを自由に設置できるようになっており、人気ゲーム「Minecraft」を彷彿とさせるオリジナルワールドを構築できます。さらに、LANDを他のユーザーに貸し出せばレンタル料を稼ぐこともできます。これはブロックチェーン技術を活用するThe Sandboxならではの特徴です。

LAND内に設置できる3Dアイテムもユーザーが生産できるようになっており、このようなアイテムはThe Sandboxのマーケットプレイスやユーザー間で売買することも可能です。

1-1 SANDとは


仮想通貨「SAND」はイーサリアム・ブロックチェーン上でERC20規格で発行されています。メタバースゲーム『The Sandbox』のエコシステムでアイテムの売買などに使用されるトークンです。また、SANDは将来的にThe Sandboxのゲーム運営へ参加するガバナンストークンとしての役割を担うとされています。

また、SANDのステーキング(厳密には流動性マイニング)により、安定的にSANDの保有量を増やしていくこともできるようになっています。さらに、LAND(ゲーム内土地のこと)を所有していると、ステーキング時のSANDの増加ペースが上昇するなどの特徴があります。

1-2. SANDの将来性

昨今、Web3への関心が高まる中で、自民党が発行した「NFTホワイトペーパー」を筆頭に、具体的なユースケースとしてNFTとメタバースが挙げられる場面が増えています。そうしNFTやメタバース産業の発展が、The Sandboxの今後の成長にとって重要な役割を担っています。

大手仮想通貨投資ファンドGrayscaleが公開したレポートによると、メタバースによる年間収益は2025年には4,000億ドル(約45兆6千億円)に達すると見られ、収益の大部分をゲームの課金が占めると予測されています。Grayscaleは、メタバースは現在の市場価値15兆ドルに達するWeb2.0エコノミーの競合への機会を有し、社会交流やビジネス取引を含むインターネット経済を変革する可能性を秘めていると述べました。

2022年5月時点、NFTゲーム「The Sandbox」はまだα版の段階ですが、月間アクティブユーザー数はピーク時には100万人を超えるなど、すでに大きな注目を集めています。今後、正式版がリリースされ、ユーザー数がさらに増えると、SANDの注目も高まると予想されます。The Sandboxには一流企業やブランドも多数参入しており、国内からはSQUARE ENIXやSHIBUYA109、さらには仮想通貨取引所Coincheckも参入しています。

②Coincheck NFTとThe Sandboxのプロジェクトとは

CoincheckのNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT」は、The Ssndboxの仮想土地「LAND」を取り扱っています。そこで、ここからはCoincheckによる、The Sandboxでの展開をご紹介します。

2-1. LANDやESTATEの販売

Coincheckが提供するNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT」では、Coincheckが保有するLANDを販売しました。また同社が一般ユーザー向けに提供しているNFTマーケットプレイス「miime」では、LANDを集めたより大きな土地区画「ESTATE」が販売されました。

ESTATE規模の仮想土地は販売価格も大きくなるため、個人向けというよりは企業などが購入するのが想定されていると考えられます。

その一方で、Coincheck NFTで販売されたLANDは個人でも比較的手の届きやすい価格帯となっていることもあり、初回のセールでは数分間で完売しました。その後も、LANDは複数回に渡って再販を繰り返すほどの人気を誇っています。直近では2022年5月13日に540個のLANDが販売されました。今回発売された「LAND(NFT)」は、現在コインチェックが建設中の「Oasis TOKYO」近隣の土地となっています。

The Sandboxではユーザーは1つのLANDから隣のLANDに直接移動できる特徴があります。そのためOASIS TOKYOのような大型テーマパークの近隣に位置するLANDの地価は高騰しやすい傾向があると言われています。

2-2. OASIS TOKYO・OASIS KYOTOの構築

「OASIS TOKYO」と「OASIS KYOTO」はCoincheckがThe Sandbox上で構築しているメタバース都市です。それぞれ現実世界の東京と京都の街並みをイメージして作られた仮想都市であり、2つの都市内には美術館や商店街などといった施設が建設されています。ユーザーはOASIS TOKYOやOASIS KYOTO内の商業施設で買い物をしたり、展示されているものを閲覧するメタバース体験や、好きなアーティストやブランドとの交流ができるのが見どころです。

OASIS TOKYOはすでに著名アーティストや芸能人、ブランドとのコラボレーションを開催して注目を集めています。

【関連記事】:コインチェックがThe Sandboxで構築するメタバース都市「Oasis TOKYO」とは?【小嶋陽菜氏プロデュースの『Her lip to』とのコラボも話題】

最近では、OASIS TOKYO・OASIS KYOTOと人気NFTアートプロジェクトのNEO TOKYO PUNKSがコラボを発表しました。NEO TOKYO PUNKSは、日本発のジェネラティブNFTプロジェクトです。

NEO TOKYO PUNKSの例のように、すでに多数のファンを獲得しているプロジェクトとCoincheckの仮想都市がコラボすることで、OASIS TOKYOやOASIS KYOTOにも多くのユーザーが流入することが想定されます。

2-3. SANDの取り扱いを発表


Coincheckは、5月24日からThe Sandboxで利用できる「SAND」の取り扱いを開始しました。

SANDはLANDの購入時やThe Sandbox内のメタバースゲーム、マーケットプレイスで利用することができるため、CoincheckでSANDを購入してThe Sandboxの世界で遊ぶといった使い方ができます。例えば、The Sandboxのゲーム用に欲しいアイテムがマーケットプレイスで販売されていれば、あらかじめ購入したSANDでアイテムを購入し、ゲーム内で使用することもできるでしょう。

また、The Sandboxの将来性に期待して長期的な投資が行いたいという方は、SANDを購入してステーキングを行えばキャピタルゲインも狙えます。

③まとめ

今回は、メタバースプラットフォーム「The Sandbox」の仮想通貨SAND、そして国内仮想通貨取引所CoincheckのThe Sandbox関連のプロジェクトについてご紹介しました。

メタバース市場は黎明期にあり、まだまだ拡大が見込まれる分野だと言えます。実際に体験してみないと分からないものも多いため、まずはやってみるという動きは仮想通貨の世界では大切なことになります。

この記事を読んでThe SandboxやCoincheckのプロジェクトに興味をもった方は、まずはSANDを購入して実際にメタバースの世界を利用してみるといいでしょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12