Coincheckで板取引が開始されたLSKの買い材料はあるのか?

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今回は、Coincheckで板取引が開始されたLSKについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. Lisk (リスク)とは?
    1-1.Liskの概要
    1-2.プロジェクトの目的
    1-3. Liskの特徴、メリット
  2. 仮想通貨LSK
    2-1. トークンの概要
    2-2. ユースケース
  3. LSKの購入材料
    3-1. 購入材料になるものは
    3-2. LSKの価格推移
    3-3. 将来性
  4. まとめ

暗号資産(仮想通貨)取引所CoincheckはLSKの板取引を9月13日から開始しました。国内取引所で利用開始されるにあたり、ここではLSKについて改めてどのような点が購入材料となるのか考えてみたいと思います。

①.Lisk (リスク)とは?

LISK

1-1.Liskの概要

Liskは、2016年5月にMax Kordek氏とOliver Beddows氏によってローンチされたブロックチェーンです。

Liskを活用することで、開発者は分散型アプリケーションや仮想通貨を作成することができ、カスタムトークンを含む独自のサイドチェーンを展開することを可能にしています。このサイドチェーンはブロックチェーンアプリケーションのユースケースに最適に適合するために、さまざまなカスタマイズが可能になることから開発者にとっても非常に構築しやすいとされています。

1-2.プロジェクトの目的

Liskでは、一般的なWeb開発で使用されるJavaScript言語とTypeScript言語を使用してプログラムを書くことができるため、開発者は分散型アプリケーションの構築が容易となります。参入障壁も低くなることで、ブロックチェーン技術に開発者がアクセスしやすくなることを狙いとしていると考えられるでしょう。

Liskでは、誰もがブロックチェーン技術やブ分散型アプリケーションなどを活用し、恩恵を得られるようなプラットフォームを構築することを目的としています。

1-3. Liskの特徴、メリット

Liskの特徴は主に3つあります。

1つ目は、JavaScript、Typescriptなどのプログラミング言語は開発者にとってなじみがあることから簡単に分散型アプリケーションを構築することができます。簡単なプログラミング言語で構築できることによって参入障壁が低くなり、開発者が入ってきやすくエコシステムがさらに拡大していくことでLiskの需要も増えていくでしょう。

2つ目、Liskを使用することで、開発者はメインネットワークであるLiskの下に別のサイドチェーンを作成することができます。Liskではすでに、Lisk SDKを使用した様々な分散型アプリケーションが誕生しており、例としてNFT作成プラットフォームである『RGB』、メタバースに関連したプロジェクトの『Faet』などがあります。

3つ目は、DPos(デリゲーテッド・プルーフ・オブ・ステーク)コンセンサスアルゴリズムを採用していることです。トランザクションの承認作業の一部をデリゲートが行うため、承認作業などを減らすことができます。その結果、スケーラビリティ問題の解決を可能にするという特徴があります。

②仮想通貨LSK

2-1.トークンの概要

  • ティッカーシンボル・・・リスク(LSK)
  • ブロックチェーン・・・Lisk
  • 時価総額・・・¥18,720,570,862(2022年9月15日現在)
  • 総供給量・・・約1.44億LSK(参照元

2016年に誕生したLSKは、分散型アプリケーション(DApps)で使用できる仮想通貨となっています。時価総額は現在165位(2022年9月16日)です。

よく間違われやすいため名称を整理しておくと、プラットフォームのことをLiskといい、そこで使用できる仮想通貨の名称がLSKです。

2-2.ユースケース

Liskには、まだ多くのユースケースがあるわけではありません。

Liskはユースケースを増やすために日々開発を行っていますが、2021年のハッカソンでGameFi(ゲーム+金融)とDeFi(分散型金融)をテーマに取り上げたことから今後それらの分野に関連したユースケースがでてくるのではないかとコミュニティで話題になりました。

③LSKの購入材料

3-1. 購入材料になるものは

Liskを購入を検討する材料は2つあります。 

1つ目は、新しい技術やサービスが今後プロジェクトに採用されるかどうかという点です。昔は分散型アプリケーションといえばLiskという時代がありましたが、今はDAppsを構築できる多くのブロックチェーンが存在します。その競合プロジェクトに勝つためにも、新しいサービスなどを開発できるかが重要になってくるでしょう。

2つ目は、ユースケースがどのような形で増えていくのかという点です。現状Liskは、ユースケースがまだ少ない状態です。ユースケースが少なければユーザーがLiskを使用できる場面が少なくなります。Liskが社会にどのように活用され、運営はどのようにマーケティング、開発していくのか注目していく必要があります。

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3-2. LSKの価格推移

LSK2
LSKは、2017年に約30米ドルまで上昇し史上最高値を付けました。そこから長い低迷期に入り、2021年には仮想通貨業界のバブルもあって、約8ドルまで上昇しましたが、その後は下降気味となり現在では1ドル前後となっています。

2017年は、仮想通貨業界のバブルの年であったこと、分散型アプリケーションをメインとしたプロジェクトが少なかったため、将来的な期待と仮想通貨市場自体のバブルを背景に上昇したことが原因となっています。また、最近では分散型アプリケーションに関するプロジェクトが数多く誕生し、Liskの優位性が薄れたことからユーザーも分散され、価格も下降していったと言えるでしょう。

LSK3

上記のチャートは、BTCとLSKの価格推移を比較したものになります。LSKが大きく上昇した2017年はBTCも上昇はしていますが、2021年の時にはそれが逆転し、LSKはBTC並みに上昇するまでには至りませんでした。

BTCとLSKを比較するのは難しいですが、基本的にBTCの価格推移に比例して他の仮想通貨の価格も比例して変動することを考えると、直近のバブルの年でもあった2021年にLSKが上昇出来なかったということは今後少し厳しいのではないかと個人的に考えています。 

3-3. 将来性

開発者にとって身近なプログラミング言語を採用していることから、開発者が参入しやすくエコシステムが拡大しやすいという点は魅力的な点と言えるでしょう。

しかし、現在は競合が多いということ、Liskに拘る必要がなくなったことを考えると購入しようと思うユーザーは少ないかもしれません。また、ユースケースもまだまだ少ないことから期待していたユーザーが徐々に離れていく可能性も高いでしょう。

結論、現状のままだとLSKの上昇というの厳しい状況であるため、革新的なサービスの構築やユースケースを増やすなどといったユーザーが再度Liskに興味を持つようなアプローチが必要になってきます。今後の動きに変化がなければLSKを購入するという選択肢は狭いため、下落余地があるという想定でトレードする方がいいでしょう。

④まとめ

LSKは現在の状況では購入して保有する選択肢は狭いと考えるのが自然と言えます。しかし今後の団体の動きやどのようなユースケース、サービス展開を行なっていくのかで当然変化も出てくるでしょう。今後のLiskの取引のためにCoincheckで口座開設だけでも行なっておいてもいいのではないかと思います。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12