今回は、Bitwise社について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- Bitwise Asset Managementの概要や事業内容
1-1.Bitwise Asset Managementの沿革
1-2.Bitwise Asset Managementの事業内容 - 仮想通貨市場におけるBitwise Asset Management
2-1.世界初の仮想通貨インデックスファンドBITW
2-2.ETFと機関投資家向けの多種多様な仮想通貨ファンド
2-3.ビットコインETFへのチャレンジ - まとめ
Bitwise Asset Management(ビットワイズ・アセット・マネージメント)は、世界最大規模の仮想通貨ファンドの一つです。世界初となる仮想通貨インデックスを作成し、適格投資家向けの複数の仮想通貨ファンドを運用しています。
運用資産額は2020年11月から2か月間で5倍に増やし、2021年10月31日までにさらに3.4倍に拡大して17億ドルに到達しています。そのためBitwise社の取扱額の推移は機関投資家による仮想通貨投資の人気を示すバロメーターともなっています。今回は、Bitwise Asset Management社について詳しく解説します。
①Bitwise Asset Managementの概要
まずは、Bitwise Asset Managementの概要や事業内容について解説します。
1-1.Bitwise Asset Managementの沿革
Bitwise Asset Managementは、2017年にアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコで、ブラックロックやブラックストーン、Facebook、Googleなどの出身者により設立されました。2017年12月のシードラウンドで、Blockchain Capital、General Catalyst、KhoslaVentures等から400万ドルを調達。2021年9月のシリーズBラウンドで7,000万ドルの調達に成功しています。
Bitwise社の事業内容は上場商品(ETF)の開発と。適格投資家向けの仮想通貨ファンドの開発です。後述しますが2018年からビットコインETFの実現に取り組んできた会社でもあります。
1-2. Bitwise Asset Managementの事業内容
現時点でBitwise Asset Managementの主要事業は仮想通貨ファンドの開発・販売と、
ETFの開発の2つです。商品の詳細に関しては、後述します。
②仮想通貨市場におけるBitwise Asset Management
それでは、Bitwise Asset Managementは仮想通貨市場においてどのような存在なのでしょうか?
2-1. 世界初の仮想通貨インデックスファンドBITW
Bitwise社が仮想通貨市場において最初に足跡を残した出来事が、世界初の仮想通貨インデックスファンドである「Bitwise 10 Crypto Index Fund(BITW)」の上場を成功させたことです。これは10種類の仮想通貨を選択しインデックスファンドとして開発した金融商品で、現在世界最大の仮想通貨インデックスファンドとなっています。2021年12月現在、BITWに採用されている銘柄とその割合は次のようになっています(一カ月ごとのリウェイト)。
2-2. ETFと機関投資家向けの多種多様な仮想通貨ファンド
Bitwise社は2021年11月現在、2種類の上場商品と10種類の仮想通貨ファンドを取り扱っています。
【上場商品】(2種類)
- BITW:Bitwise 10 Crypto Index Fund
- BITQ:Bitwise Crypto Industry Innovators ETF
【適格投資家向け商品】(10種類)
- Bitwise DeFi Crypto Index Fund
- Bitwise 10 ex Bitcoin Crypto Index Fund
- Bitwise 10 Crypto Index Fund (non-OTC Trust)
- Bitwise 10 Index Offshore Fund
- Bitwise Aave Fund
- Bitwise Bitcoin Fund
- Bitwise Compound Fund
- Bitwise Ethereum Fund
- Bitwise Polygon Fund
- Bitwise Uniswap Fund
Bitwise社のファンドに組み入れられている仮想通貨としては、ビットコイン、イーサリアム、コンパウンド、ポリゴン、ユニスワップを代表とし、ソラーナ、カルダノ、ライトコイン、チェーンリンク、ビットコインキャッシュ、アルゴランドなどがあります。
インデックス型のファンドに関しては銘柄の入れ替えなども行なっているため、Bitwise社がどのような仮想通貨をファンドに採用しているかということを知ることは、トレーダーにとっても役立つ情報の一つなります。
【関連記事】:最近話題のビットコインETFとは?【仮想通貨取引所の元トレーダーが解説】
2-3. ビットコインETFへのチャレンジ
Bitwise社は創立当初からビットコインETFの上場承認にチャレンジしてきました。
2018年7月24日には、SEC(米国証券取引委員会)に対してビットコインの上場ファンドを申請しましたが、2019年10月にSECは同社の申請を却下しました。
2019年1月28日に再度Bitwise社はビットコインETFを取引するための別の申請を提出。こちらも実現には至りませんでした。
そして2021年5月12日、Bitwise社のETF「Bitwise Crypto Industry Innovators ETF」(BITQ)がついにローンチしました。これは、SECがその名前に「crypto」という単語を含めることを許可した最初のETFとなります。
そして現在、Bitwise社は再度、現物型のビットコインETFの実現に取り組んでいます。
③まとめ
Bitwise社により、現物価格と連動する形のビットコインETFが誕生すれば、10月に実現したビットコイン先物ETF以上のビットコイン価格の上昇が起こる可能性があります。そのような意味でも、今後もBitwise社の同行からは目を離せないと言えるでしょう。
また、適格投資家向けのファンド商品は一見個人の投資家の方には関係がないように思えますが、 Bitwiseなどの仮想通貨の専門家がどのような銘柄を選択しているのかということを知ることは、長期投資をする際の銘柄選びをする際にも大いに参考になります。
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中島 翔
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