世界有数の投資家として知られるウォーレン・バフェット氏は2月25日、米経済番組CNBCのインタビューに対し、「ビットコインは本質的には価値がなく、基本的に妄想に過ぎない」と語った。
バフェット氏は一貫して長年、仮想通貨に対して批判的な意見を述べてきている。バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの2018年年次株主総会に先立って、ビットコインを「殺鼠剤を二乗した殺傷力をもつ」と評した他、CNBCに対してはこれまでビットコインについて「蜃気楼」「通貨ではない」「チューリップ(チューリップ・バブルを揶揄)」と回答している。
バフェット氏は、「ビットコインに自分たちの生活を一変させると楽観的に考える人々に同情する。ビットコインはペテン師を魅了するものだ」と語る。ビットコインは2017年の終わりに約20,000米ドルまで高騰した後、80%以上の価格下落を起こした。2019年現在では3,800米ドル前後まで価格を下げている。
その一方で、バフェット氏はビットコインの基盤技術であるブロックチェーン技術に対しては「重要」だと指摘している。しかし、「ブロックチェーンの成功は仮想通貨に左右されるものではない」と付け加えている。この言葉を裏付けるように、バフェット氏が投資を行う、米大手銀行ウェルズ・ファーゴや米トラベラーズチェック大手のアメリカン・エキスプレス、世界最大級のシステムイングレーターIBMなどは、ブロックチェーン黎明期の現在からブロックチェーンの研究開発を続けている。
バフェット氏のように、ビットコインに対して否定的な人物は少なくない。マイクロソフト共同創業者兼元会長兼顧問のビル・ゲイツ氏、JPモルガンCEOのジェイミー・ダイモン氏、ノーベル経済学賞受賞者のロバート・シラー教授など、ビットコインの正当性を疑う人物はいまだに後を絶たない。数々の著名人が語るようにビットコインの価値は「共同幻想」に過ぎないのか、その答えが出る日はまだ遠い。投資家は、短期的な値動きや過度な主張に惑わされず、ビットコインの将来性を冷静に見極めて投資判断をしていくことが必要だ。
【参照記事】https://www.cnbc.com/2019/02/25/warren-buffett-says-bitcoin-is-a-delusion.html
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立花 佑
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