米国のペイメント事業大手Visaは6月11日、ブロックチェーン技術を駆使したBtoB向け国際送金システムVisa B2B Connectの提供を開始した。
Visa B2B Connectは、従来の銀行を介する送金において課題となっていた送金速度や取引コスト、複雑さを解消したものとなっている。Visa B2B Connectは、最大90の国と地域へ市場を拡大することを目的としており、30以上の国際送金ネットワークに拡大させる予定だ。
国際送金では、送金額に関する情報のほか、送金元の情報が必要になる。Visa B2B Connectは、企業にとって機密性の高い銀行情報や口座番号などをトークン化するデジタルID機能を持つ。デジタルID機能によってトークン化された情報は固有の識別子を得ることができるため、トークンの送受信のみでも企業の特定情報を交換するセキュアなクロスボーダー決済が可能となる。
国際送金は年間65兆円以上の規模に達する市場だ。国際送金市場は現在、SWIFTを利用した送金が主流となっているが、近年はブロックチェーンや分散型台帳技術を駆使した国際送金領域に取り組む事業者も現れ始めている。国際送金ソリューションを手がけるRippleや、国際送金ネットワークIBM Blockchain World Wireを手がけるIBMがその代表例だ。Visaがこの領域に新たに参入することで国際送金ソリューション市場における競争がさらに激化していくことが想定される。引き続き注目していきたい。
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HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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