ビットコイン決済の受付を停止しているテスラが、再開の条件を明らかにした。CEOのイーロン・マスク氏が、自身のTwitterを通して6月14日に言及している。
マスク氏の投稿では、ビットコインマイニングのクリーンエネルギー使用率が50%に達した場合に、テスラはビットコイン決済を再開をすると言及。合わせて、過去の売却したビットコイン(保有量の10%)は、市場に影響を与えずに売却できるかどうかを確認するためとした。
今回の投稿は、米暗号資産メディアCointelegraphによる「ビットコイン市場は影響力のある1人の人物による価格操作が起きている」とマスク氏を批判した記事に対する返答だ。「こういった行為はSECの調査対象になっても不思議ではない」としている。
これに対してマスク氏は、テスラにおけるビットコイン決済の一時停止や再開条件については言及したものの、繰り返される自身の個人的な投稿については言及しなかった。
ビットコインの環境問題に関する議論は年々激しさを増している。Cambridge Centre for Alternative Financeによる2020年の調査レポートでは、ビットコインマイニングにおける全体の39%が再生可能エネルギーによるものだと報告。一方で、CoinSharesによる2018年のレポートでは77.6%とされていた。またArk Investからは、既に70%を超える比率で再生可能エネルギーの利用が普及していると報告されている。
各調査によって報告される数値に大きな差が出ているが、Quantum EconomicsのビットコインアナリストJason Deane氏は「ビットコインマイニングにおける再生可能エネルギーの普及率を調査するのは非常に困難です」と発言している。
この問題については、ビットコインマイニングの調査を推進するBitcoin Mining Council(BMC)が設立されている。BMCは、マイクロストラテジーやGalaxy Digitalといったメンバーを中心にしたビットコインマイニングの透明性担保などを目指す団体だ。
BMCのような中立的な団体による調査が進み、より正確な数値が出てくることになれば、テスラのビットコイン決済の再開および持続可能な暗号資産エコシステムの醸成が加速することになるだろう。
【関連記事】ビットコインとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照URL】Twitter – Elon Musk, the 2nd
仮想通貨取引を始めるなら
株式会社techtec リサーチチーム
最新記事 by 株式会社techtec リサーチチーム (全て見る)
- 米Coinbase、NFTマーケットプレイスのβ版をリリース - 2022年4月25日
- イーサリアムが初の年間レポートを公開、16億ドルの財源やETH総発行量の0.3%を保有していることが明らかに - 2022年4月21日
- Meta、メタバースでのクリエイター向け販売手数料を47.5%に設定 - 2022年4月20日
- イーサリアム「The Merge」の実施が2022年後半に延期 - 2022年4月19日
- 「フォートナイト」運営のEpic Gamesにソニーが大型出資、メタバース事業に注力へ - 2022年4月15日