米決済大手のSquare(スクエア)は11月19日、分散型取引所「tbDEX」のホワイトペーパーを発表した。スクエアのCEOを務めるJack Dorsey氏は、8月末にビットコイン上で分散型取引所を構築する計画を明らかにしていた。
Dorsey氏は分散型取引所の設立にあたり、スクエアの傘下に仮想通貨に関する新規事業を扱う新部門を設置した。今回のホワイトペーパーも当該部門によって公表されている。
18ページに及ぶホワイトペーパーでは、tbDEXについて「社会的信頼の存在が取引リスクの管理において難解な要素である場合に、流動性を確保したり、ビットコインや法定通貨などの様々な資産を交換するためのプロトコル(tbDEXプロトコル)」と説明されている。
tbDEXプロトコルの役割は、分散型ID(DID)と自己主権型のデジタルな個人情報(Verifiable Credentials)を利用して現実世界でのアイデンティティの証明を確立し、社会的信頼を確立するためのフレームワークを提供することだ。時間や場所に縛られない資産間の交換を実現する、分散型のネットワークを促進するという。
またこのプロトコルは、銀行のような第三者機関を必要とせずに、既存金融システムと仮想通貨金融システム間の橋渡しとなることも目標としている。
tbDEXプロトコルは、一般的な分散型取引プロトコルが採用しているアトミックスワップのモデルを利用せず、異なる方法で信頼性の担保を実現するという。アトミックスワップとは、第三者の仲介を必要とせずに異なるブロックチェーン間の資産を交換することを可能にする技術だ。
スクエアは、法定通貨の課題について、「金融システムのインターフェイスがトラストレスになることはなく、法定通貨側のエンドポイントは常に規制される対象となる」といった点を指摘。現存する法定通貨金融エコシステムと仮想通貨金融エコシステムの接点に課題が多いこともあげている。
今回発表されたホワイトペーパーは、tbDEXプロトコルの設計を概念的に理解するためのものだ。今後、tbDEXプロトコルに関心を持つコミュニティからのフィードバックを受け、ホワイトペーパーを修正していく予定であるとしている。
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【参照URL】tbDEX Whitepaper v0.1
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