老舗オークションハウスSotheby’s(サザビーズ)は11月18日、米国憲法の初版が4,320万ドルで落札されたことを発表した。米国憲法の初版は推定500部発行されたが、現存するものは13部であるとされ、オークションには多くの注目が集まっていた。
サザビーズによる今回のオークションは、DAOに関心の高い人々からも大きく話題となっている。ConstitutionDAOという米国憲法を落札するために組成されたDAOが1週間で4,700万ドルの資金を集めていたためだ。しかし、結果的には金融サービス企業CitadelのCEOであるKen Griffin氏により落札され、競り落とすことができなかった。
ConstitutionDAOは、落札額となる4,320万ドル以上の資金を持ち合わせていたが、サザビーズのオークション手数料13.9%や、保存・輸送などに更なる費用がかかるため、入札を諦めたという。これにより、ConstitutionDAOが参加者に対して十分な透明性を持たず、資金調達を早々に終了したと感じた人がいたため、混乱と不満が生じたようだ。
落札失敗という結果に対し、ConstitutionDAOはTwitterで「望んでいた結果ではありませんでしたが、私たちは今夜ConstitutionDAOで歴史を作ったのです。これは、私たちが知る限り、暗号資産や法定通貨を問わず、物理的な物体を対象としたクラウドファンディングとして最大のものになります。」とコメントしている。
今回の参加者は17,437人となり、提供された資金の中央値は206.26ドルだった。集められた資金は参加者全員に返金される。しかし、イーサリアムネットワーク上での取引手数料は高く、返金額よりも手数料の方が高いといった参加者もいるという。
手数料が高額であることから、返金を行わずに新たなプロジェクトを始めることを要求するメンバーも存在し、一部で議論となっていた。これに対し、ConstitutionDAOは新たなプロジェクトを立ち上げることはせず、予定通り参加者全員に返金するとしている。
なお、Google Trendsによると、オークションの1週間前には「DAO」の検索数が過去最高を記録しており、The New York TimesやBBCなどの大手メディアでもDAOについて解説されていた。
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【参照URL】ConstitutionDAO
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