”Segwitの採用が、ビットコインをはじめとした仮想通貨の送金手数料の問題を解決する。” 4月15日のccnの報道によると、2018年2月に大手仮想通貨取引所のBitfinexとGDAXがSegwitを採用してからしばらく経ち、ようやくビットコインの手数料が下がってきたようだ。
過去記事でも言及したことがあるが、Segwitは、トランザクションを圧縮して格納するデータ量を小さくする技術だ。従来のブロックサイズを保ったまま容量を空けられるため、ビットコインのスケーラビリティ問題への有効な手段だと言われている。
大手2社のSegwit採用は、ビットコインの手数料を削減したい仮想通貨コミュニティの悲願でもあった。Segwit誕生からずっとコミュニティには需要があったもの、これまで採用する取引所は多くなかったためだ。
BitfinexのCTOであるPaolo Ardino氏は「我々は、顧客の需要に応えられるよう日々改善に努めています。Segwitはユーザーとっての利益をもたらすだけでなく、将来のビットコイン開発にも役立つのです。」と述べ、さらに「我々は仮想通貨取引における3つの大きな課題に取り組んでいます。コスト、速度、そしてネットワーク容量です。Segwit導入により大幅な手数料削減ができ、かつこれまで以上の取引速度を実現できることを嬉しく思っています。」と続けた。
現時点でBitfinexと、GDAXの親会社であるCoinbase間で取引されるビットコインは、Segwit対応アドレスを介して行われるようになっている。さらに、仮想通貨の両替が行えるShapeShiftでも、早い段階でSegwitを導入している。こういったさまざまな企業におけるSegwitの採用の増加が、手数料削減に寄与しているのだ。2017年と比べるとすでに減ってはいたが、プロトコルの移行によりさらに状況は改善されたと言える。
その影響か、3月からはさまざまな仮想通貨取引所が取引における”最安値”を提供し始めた。たとえばBinanceは3月1日、ビットコイン引き出しにかかる手数料を50%削減している。翌日、Bitfinexも同様に手数料を33%削減し、金額を0.0004 BTCにした。現時点では、Shapeshiftの手数料が0.0001 BTCで、最安値のトップを走っている。
Segwitは、ビットコインのスケーラビリティと、それに伴う手数料の改善策となりえるのだろうか。オフチェーン上での仮想通貨の取引を可能にし、少額決済における手数料の削減を実現する「ライトニングネットワーク」と合わせて、引き続き注目していきたい。
【参照サイト】Increased SegWit Adoption May have Finally Solved Bitcoin’s Fee Problem
【関連ページ】ビットコインの送金手数料が大幅引き下げ。その理由とは?
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