SDGs・ESGの認知度、上場企業と非上場企業で格差。役職でも大きな開き

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総合マーケティング支援の株式会社ネオマーケティングは3月17日、「SDGs(持続可能な開発目標)」をテーマにしたインターネット調査の結果を発表した。SDGsが2015年9月の国連サミットで採択され、目標達成への取り組みが始まって約4年。国内企業でもさまざまな動きが本格化してきたことを受け、全国の20歳以上の男女1000人に認知度や理解度を聞いた。調査は2月21日~2月26日の6日間、20歳以上の男女1000人を対象に実施した。

全体では「内容まで知っている」が17.0%、「聞いたことがあり、なんとなく知っている」が15.4%、「聞いたことはあるが、内容までは知らない」が14.3%だった。聞いたことがあるレベルを含めても認知率は46.7%と、半分以下という結果だった。用語自体を知らない人も多い。回答者の職場を上場/非上場企業で区分すると、上場企業に勤めている人のうち、知っているのは57.4%に対し、非上場企業に勤めている人は36.0%と、20.4%の差が開いた。

SDGsが掲げる17の目標に対する意識でも差が出た。どの目標が重要だと思うか3つまでを訊ねたところ、上場企業に勤めている人は、「気候変動に具体的な対策を」「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」といった環境面の課題に取り組む目標を重要視している。一方、非上場企業に勤める人は「すべての人に健康と福祉を」「平和と公正をすべての人に」「貧困をなくそう」「人や国の不平等をなくそう」といった目標をより重視する傾向がみられた。

「自身が勤める企業でもSDGsについて取り組むべきか」という質問には、「取り組むべき」が約7割。ただし、上場企業に勤めている人が80.4%、非上場企業に勤める人は62.4%と、ここでも差が開いた。さらに、役職別でみると「そう思う」「ややそう思う」と回答した人の割合は役職が上の人ほど高い。最も割合が高い「執行役員・事業部長クラス」は80.2%、最も低い「一般クラス」は64.7%と、15.5ポイントの開きがある。

「企業がSDGsに取り組むことでイメージがよくなるか」という質問では、上場企業に勤めている人のうち、全体の4分の3にあたる75.0%が「良くなる」「やや良くなる」と回答。非上場企業に勤めている人も、59.0%が良くなると回答した。全体でみればSDGsにポジティブな意識を持つ人が多い。

もうひとつ、大きな差が出たのは「ESG(環境・社会・企業統治)という言葉を聞いたことがありますか」という質問。ESGの認知率は上場企業に勤めている人で61.4%、非上場企業に勤めている人は34.6%だった。

SDGsをCSR(企業の社会的責任)活動に取り入れる、専門部署を設置するといった取り組みは都市部の大手(上場)企業に集中しており、非上場企業には十分に普及していない実態がうかがえる。SDGsの達成に向けた課題といえるだろう。

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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