シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社は5月27日、「ESG四半期レポート」の22年第1四半期のレポートを公表した。企業とのエンゲージメントや実態調査など、サステナビリティへの取り組みを掲載したレポートで、今回のテーマは「ネットゼロに向けた科学的根拠に基づく当社の取組み、株主総会シーズンにおける企業への期待、削減貢献量の分析フレームワーク概要について」。
今年3月、ネットゼロに向けた目標がScience Based Targetsイニシアチブ(SBTi)によって認定された資産運用会社のうち、同社は運用資産残高において最大の資産運用会社となった。SBTはパリ協定が求める「世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準(Well Below 2℃)に抑え、また1.5℃に抑える」という水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する温室効果ガス排出削減目標。SBTiは、企業に対し科学的根拠に基づく削減目標を立てることを求めるイニシアチブで、気候変動対策に関する情報開示を推進する機関投資家の連合体CDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)、国連グローバル・コンパクト(UNGC)によって2014年に設立された。
シュローダーは、アクティブ運用の資産運用会社として、ネットゼロ・エミッションに取り組み、気候変動がもたらすリスクから運用資産を保護し、移行に伴う機会を顧客に提供している。21年に科学的根拠に基づく目標を設定・提出し、達成に向けて取り組んできた。今回のレポートで、SBTiの認定について「当社のコミットメントはポートフォリオが2040年までに気温上昇を1.5℃に抑えるという目標と整合性のあるものにする」とした。
同社のコミットメントは、事業運営から投資先企業まで、弊社の事業活動に関連する全ての排出量を対象とする。19年に弊社の事業運営においてはカーボン・ニュートラルを達成し、さらには1.5℃目標実現に向けて、今後10年間の事業運営およびサプライチェーンから生じる排出量削減を目指す厳しい目標を設定。しかし、投資先企業による排出量は、同社の事業運営から生じる排出量の6000倍に相当しており、すべてのポートフォリオで移行が必要になる見通し。
そのうえで「認定を受けた最大の資産運用会社であることを誇りに思う。気候変動に対するリーダーシップへの当社のコミットメントを示すものであり、今後は同業他社が同様の移行コミットメントを行うことを期待している。投資先企業に対する詳細かつ広範なエンゲージメントの実施は、当社の気候変動対策の基盤であり、SBTiへのコミットメントはそれを支える確固たる証拠を提供する」と意欲を示している。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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