リコー、三菱 UFJ 銀とサステナビリティ・リンク・ローン契約を締結。温室効果ガス削減目標を前倒し

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株式会社リコーは4月10日、株式会社三菱UFJ銀行とサステナビリティ・リンク・ローン契約を締結したと発表した。同ローンは、高い環境目標を掲げ、積極的に気候変動問題に取り組む企業を対象にした金融商品で、目標を達成することで金利の優遇を受けることができる。期間は5年、借入額は100億円。

同社は第20次中期経営計画のスタート(2020年4月)に合わせて「リコーグループ環境目標」を見直し、2030 年の自社排出の GHG(Green House Gases、温室効果ガス)削減目標を 2015 年比で従来の 30%削減から 63%削減に改定。2018年にIPCCの1.5°C特別報告書で温暖化に関する新たな科学的知見が報告され、2019年の国連気候行動サミットやCOP25などの国際議論では、地球温暖化による気温上昇を1.5°Cに抑制することが広く議論されている。同社の環境目標の改定はこうした世界の潮流の変化を踏まえたもので、従来の2030年の目標値30%削減を実質8年前倒して目指すことになる。

新たな環境目標について、同社は国際的なイニシアチブであるSBT(Science Based Targets)イニシアチブの新基準「1.5℃目標」の認定を取得している。SBTイニシアチブは、企業のGHG削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ。今回のローン契約では、SBTイニシアチブの「1.5℃目標」に沿ってリコーが設定したGHG削減目標の達成状況によって金利が決定される。資金使途を限定せずに事業資金として活用できるローンだが、同社は資金の一部を GHG 削減目標の達成に充てる方針で、再生可能エネルギー(再エネ)の導入拡大や、省エネ設備投資にも活用していく。

同社は17年4月に事業に使う電力を 100%再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアチブ「RE100」に日本企業として初めて加盟。新環境目標を達成するために省エネの継続と多様な手法による再エネ活用に取り組んでいる。具体的には、再エネ証書の戦略的な活用の拡大や再エネ電力の購入活動の強化、事業所内の自家発電施設の設置の拡大、事業所外の再エネ電源の確保の検討などだ。今後も1.5℃目標に沿ったGHG排出の継続的な削減を図り、脱炭素社会の実現に向けた2050年目標「バリューチェーン全体の GHG 排出ゼロの達成」を加速化する。

三菱UFJ銀行のサステナビリティ・リンク・ローンは2019年11月以降、日本郵船株式会社、豊田合成株式会社が契約を締結している。

【参考記事】リコー、三菱UFJ銀行と「サステナビリティ・リンク・ローン」契約を締結 ~「1.5°C目標」の達成に向けた活動にも活用~

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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