炭素会計プラットフォームのパーセフォニ、排出量測定・開示のための無料ツールをリリース

炭素会計プラットフォームのパーセフォニが、あらゆる企業を対象にした温室効果ガス(GHG)排出量の開示をサポートする無料ツール「パーセフォニ・プロ(Persefoni Pro)」をリリースした(*1)。

同ツールを活用することで、中小企業でもサステナビリティの経験を必要とせず、大企業で使われているパーセフォニの主力製品「パーセフォニ・アドバンスト(Persefoni Advanced)」と同程度の品質と信頼を実現することができる。

2年以上にわたる開発、実世界での使用とフィードバックを経てリリースされた。あらゆる規模の企業が、社内外のステークホルダーと共有できる正確なカーボン・フットプリントを作成するための、無料で包括的なソリューションを手に入れたことになる。

パーセフォニ・プロは、米会計ソフト大手インテュイットの「ターボタックス(Turbo Tax)」ような、直感的なセルフガイドのソフトウェアと同様の機能を持つ。企業がサステナビリティの実地経験がなくても、包括的なカーボン・フットプリントを収集、特定、開示することができる。

パーセフォニ・プロは、あらゆる規模の企業にとってゲームチェンジャーとなり得る。

中小企業は、これまで排出量の測定や開示に関する業務に必要だった多額の投資を行わず、迅速かつ手頃な価格で測定、共有することができる。

大企業も、サプライチェーンからリアルタイムで質の高いデータを収集することにより、自社の気候変動開示の精度を向上させられる。データドリブンな意思決定を促進するための情報を開示し、コンプライアンス違反や訴訟、グリーンウォッシュ(見せかけの環境対応)への批判といったリスクを低減できる可能性もある。

金融サービス会社にとっては、投資先企業からより良いデータを収集し、より多くの情報に基づいた投資判断を下す手助けとなる。

パーセフォニの最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のケンタロウ・カワモリ氏は「夏までには、ワンクリックでの規制報告、高度な計算、GPT(OpenAIが開発した大規模言語モデル)の更なる機能を追加リリースする予定だ。排出量データの収集、管理、共有が容易になったことで、ネットワーク効果が発揮されている」と述べた(*1)。

カナダサステナビリティ基準審議会(CSSB)、欧州の企業サステナビリティ報告指令(CSRD)、米カリフォルニア州の気候関連企業データ説明責任法など、世界各国が大企業に対しスコープ3の測定・開示を義務付けている。

ペルセフォニ・プロは、スコープ3排出量の報告のためのデータ収集を容易にする。さらに、内部統制に関する国際認証SOC1、SOC2、情報セキュリティに関するISO 27001認証など、エンタープライズ・グレードのセキュリティも備えている。

規制報告ソリューションを提供するワーキバとの戦略的統合や、べイン・アンド・カンパニー、デロイトのようなグローバル企業との提携を含め、世界最大級の企業や金融機関の多くから信頼を勝ち得ている。実際、MSCIやデロイトトーマツのような業界リーダーが既にペルセフォニ・プロを利用している。

2024年は世界各国でサステナビリティ関連の情報開示が求められる中、質の高い気候変動データの収集、開示を行えるパーセフォニのサービスへの需要拡大が見込まれる。

【参照記事】*1 PR Newswire「Persefoni releases free, self-guided software for Scope 3 supply chain management

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フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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